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「渡辺さんのせいに、したかったです。だからここまで来たのに。そうすれば、少しは気が楽になると思ったから」
「…いいよ。俺のせいにしてよ」
それで少しでも救われるなら。
でも彼女は、眉を下げてゆっくりと首を横に振った。
「出来ません。これは私たち二人の問題です。
…誰かがいてもいなくても、現実が変わる事はなかったと思います」
これ以上何も言えなかったのは、これが彼女のせめてものプライドだと思ったから。
二人の間に誰かがいてもいなくても、何も変わらない。
決して誰かに振り回されたからでは無く、自分たちが選んで決断したのだという事。
彼女はきっと、別れを選択するんだろうと思った。
目の奥に見える強い意志が、目黒と似ている。
「…ごめん」
きっと俺が何を言っても変わらないし、そもそも俺に何かを言える資格なんてない。
いっその事、俺のせいにしてくれた方が良かった。
なんて、そんなのも俺のエゴでしかなくて、俺はつくづく最低な人間だ。
「そろそろ帰ります。お時間頂いてありがとうございました」
業務的なセリフを言って立つ彼女は丁寧なのではなく、一定の距離を保つ為にそうしているのだと今思った。
「…送ろうか？」
口先だけ、彼女も分かっていて首を横に振る。
きっとこの先も俺たちの距離は変わる事はない。
彼女が一度も手を付ける事のなかったグラスにまとわりついた雫が静かに滑る。
氷が溶けて薄くなったそれを一気に飲み干せば、吐き出せないまま喉に詰まった言葉も一緒に飲み込めるような気がした。
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バンビ(プロフ) - 弥生さん» 弥生様、コメントありがとうございます。こんなめめが想像出来過ぎて私も苦しいです。笑 最新作の照君も、どうぞよろしくお願いします。 (2022年4月26日 20時) (
レス) id: 3e6ac61619 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - シリーズ楽しく読ませて頂いてます。この作品のめめがめめ過ぎて苦しー！ってなりました。最新作も更新を心待ちにしています♪ (2022年4月26日 17時) (レス) id: 7916499826 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ねこさん» ねこ様、コメントありがとうございます。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。 (2021年11月21日 22時) (レス) id: 7af38d1460 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - すごく素敵なお話で大好きでした。完結おめでとうございます^_^ (2021年11月21日 22時) (レス) @page44 id: b63bd495ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2021年10月16日 18時
