恋のマネージュ - 2 -

星の出ない空 ページ8

.




＿＿ ガララ 、









貴「 … 寒い 、」









自分の部屋に入って 、ベランダのドアを開ける 。


ヒューッと音をたてた冷たい風が吹き抜けた 。









貴「 … っ 、あれ ? 、なん 、で … 、」









知らないうちに 、頬を涙が伝っていた 。


なんでだろう 。
悲しくなんかないのに 、
怖くなんかないのに 、





よかったじゃない 、私 。
お母さんに 、むりやり笑顔を見せるのも 、
お母さんに 、成績が悪くて怒られるのも 、

辛かったでしょ ?









” … Aが困ってたら 、すぐ飛んでくから 。”









… もう 、飛んできてくれないよね 。





こんなときに限って 、頭に浮かんでくるのは 、山田くんの顔 。

私が 、突き放したんだ 。
私の勝手な事情で 。









自分のことを 、想っていてくれる人を 、傷つけた 。








貴「 … 私って 、予知能力持ってるのかな 、」









悔しくて 、涙がなんだか鬱陶しくて 、上を向いた 。









貴「 … なーんも 、無いや 、」









くらーい 、空 。

何もない 、真っ暗な空 。





月も無ければ 、
星も無い 。









そんな空を見て 、私 、思ったんだ 。









貴「 … 私って 、何も持ってない 。」

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