突然の ページ5
その日の放課後。
どきどきしながらカウンターに居座る。
この間読めなかったカミュを手にして、私はどこかふわふわとした気持ちでいた。
そうして、やっぱりいつも通り、赤葦くんが現れた。
……と思ったら。
「ヘイヘイ!!赤葦!!今日練習しようって言ったじゃんか!!」
…なんかうるさい人がいる。
この人は、私にだってわかる。
特徴的な髪型、背の高い赤葦くんよりもさらに少し高くて大きい印象。
あれは木兎先輩だ。
「木兎さん。図書室ですよ。静かにできないんですか」
「わーってるよ。まぁ赤葦が勉強するって言うなら、俺もするから!!」
「あんた勉強するって言って、3年のくせに俺に毎回聞いてくるでしょう。課題も手伝いませんからね。本でも読んでたらどうですか」
「ええ〜?本なんかもっと読まねぇよ〜」
図書室の入口付近で話すものだから、抑えられた(つもりの)声でもよく聞こえる。
なんだ、今日は静かな赤葦くんは拝めないのかな…
手元で開いた本に目を向けながらも、注意は赤葦くんと木兎先輩の2人に向いていた。
「あっ、そうだ!」
そんな声がしてちらっと二人がいた方を見ると、
木兎先輩がずんずんとこちらに向かって歩いてくる。
「ねーねー!図書委員の子だよねー?」
えっ??!なんで?!どうして私に話しかけてくんの?!
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作者名:Eもんかけ | 作成日時:2020年10月21日 17時