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『ただいまー。』

「おかえり。なんだ、若も一緒だったのか。』

『うん。店先で会ったんだけど、詰所に用事があるみたいで見回りの途中だったけど帰ることにしたみたい。』

「店先で会った.....あぁ、なるほどな。」

「.....なんだよ、紺炉。文句あんのか?」

「いや、別に。何もないが。」

「そうかよ。じゃあな。」

そう言って紅丸は詰所から出て行ってしまった。紺炉は分かりやすい紅丸の行動に笑いを堪えながら見送ると、名前は首を傾げていた。

『...ん?紅丸君、そういえば何の用事で詰所に帰ったのかな?すぐに行っちゃったけど.....』

「それならもう用事は終わったさ。だから見回りの続きに行ったんだろ。」

『え、もう終わったの?何だったのかなー。』

「(それはお前を1人で帰すのが心配だから詰所まで送る用事だよ。ったく.....本当に名前は昔から鈍感だな。)」

うーんと頭を傾げて考える名前を見ながら紺炉は心の中でそう思った事を当の本人は全く気づかない。紅丸が幼い頃から10年以上想いを寄せていることが不憫で仕方ない紺炉は、いい加減その気持ちに気づいてやって欲しいと願うばかりだった。


「...本当にあいつは鈍感すぎるぜ。俺がせっかく男除けしてるのに気付きもしねぇぜ.....」

紅丸は見回りをしながら積み重なる想いをどうやって伝えようか考えるものの、10年以上経ってしまって今更というのもあり、どうしたものかと考え込みながら歩いているため、周りから声をかけられても気づかずに見回りをしていつのまにか詰所に着いていることに気づいた。夕飯の準備をしているのか良い匂いが紅丸の鼻に届き、腹の虫が大きく鳴らした。

「...胃袋まで掴まれるたぁ思わなかったぜ.....」

紅丸は頭を掻きながら呟くと自室へ酒を取りに行くと、想い人に夕食に呼ばれるまで縁側で酒を飲むことにしたのだった。

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sun(プロフ) - ゆ - さん ありがとうございます^^不定期更新ですが頑張ります! (2021年1月25日 21時) (レス) id: d64509f038 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き楽しみにしてます!!無理ない程度に頑張ってください!! (2021年1月20日 22時) (レス) id: 0885cf56a4 (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - 申し訳ありません。外しました、ご指摘ありがとうございました。 (2021年1月14日 2時) (レス) id: b6ed430f0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sun | 作成日時:2021年1月13日 13時

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