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「.....男と2人で甘味屋に行くって言ってんだよ。」
「あぁ...なるほどな.....」
『何で甘味屋行くだけでそんなに怒るの......?』
紺炉は紅丸の話を聞くと何故不機嫌になっていることに納得した。だが名前の性格上、断りにくくて承諾したのもあるんだろう。悲しそうに呟く名前が少しかわいそうに思えてきたが、紅丸の気持ちも少なからず分かるのでどう言えばいいのか悩む紺炉。
「まぁ...その、あれだな。誘われたとはいえ、詰所の男以外と出かけることってないだろ?あまり知らないやつだと心配なんだよ。俺も少し心配だからな.....何時に帰ってくる予定なんだ?」
「...おい、紺炉。てめぇ......」
『夕飯の下準備があるからそんなに遅くならないよ。』
「じゃあそれまでにちゃんと帰って来るんだぞ?なんならヒカヒナ連れて行ったらどうだ?あいつら甘味好きだしな。」
さりげなく2人きりにさせないようにヒナタとヒカゲと同行させる案を紺炉が提案すると紅丸は黙った。だが、名前は困ったような表情を浮かべながら笑って断った。
『本当は連れて行ってあげたいんだけど、ヒカちゃん達連れて行くと多分落ち着いて食べられなくなっちゃうんじゃないかと思うから今日はお留守番してもらおうと思って。』
「失礼な奴だな!」
「ヒナ達が落ち着いて食べないとでも思ってのか!?つぶすぞ、てめぇ!」
「呉服屋のクソジジィに沢山買ってもらおうと思ってたのに!!」
『こら。だから連れて行くのやめたんだから。裁縫関係でお世話になってるところだし.....』
名前は日頃、隊員の洋服を縫う時の裁縫道具をその呉服屋で契約して購入しているので下手に断れなかったと言うのが今回、甘味屋の誘いを受け入れたのが1番の理由だった。紅丸と紺炉は名前がそのことを気にしていることが分かり、今回だけだということで渋々見送った。
「.....紺炉、ちょっと出かけてくる。」
「...どこに行くんだ....?」
「.....」
「.....若、ほどほどに。」
紺炉は大体の予想がつき、苦笑いを浮かべて紅丸を見送った。ヒナタとヒカゲは分からないようで首を傾げていたがすぐに遊びに出かけた。
「本当に若は分かりにくいな。」
素直に心配だからと言えばいいのにそれを言わないから鈍感な名前はいつまで経っても紅丸のことを意識しない。まして、異性をあまり意識したことがないのか初恋もまだなんじゃないかと思う紺炉は、紅丸の10年以上想いを寄せていることに不憫さに同情してしまった。
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sun(プロフ) - ゆ - さん ありがとうございます^^不定期更新ですが頑張ります! (2021年1月25日 21時) (レス) id: d64509f038 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 続き楽しみにしてます!!無理ない程度に頑張ってください!! (2021年1月20日 22時) (レス) id: 0885cf56a4 (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - 申し訳ありません。外しました、ご指摘ありがとうございました。 (2021年1月14日 2時) (レス) id: b6ed430f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sun | 作成日時:2021年1月13日 13時