Melancholic Mermaid 2

Mermaid64 ページ14

「まるできみは、にんぎょひめみたいだね」





なぜか顔がちょっと紅い男の子がそうポツリと呟いた。





『人魚姫』






今まで蔑みの言葉として私に浴びせられてきたその単語。






でも、彼が紡いだその単語に不快感は全く無くて。






「…そう？」





「うん。そのサラサラな長いかみも、うたがじょうずなところも、きれいな水色のひとみも！」






今、何と。






「このひとみが、きれい？」





「きれいだよ、いま目の前に広がっているうみのように青いきみのひとみは」






やっぱりきみはにんぎょひめさんだ。






彼の視線は純粋で、それが少し苦しくて。






「…でもね。いつもわたしはゆううつなの」






なぜ？と聞かれるが言葉を濁す。






こんな理由をあまり聞かれたくはない。






「そっか…にんぎょひめさんはゆううつなんだね」






そう、私はいつも憂鬱な人魚姫ー

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