もうひとつの関西ダービー (ページ10)

今日:12 hit、昨日:12 hit、合計:38,623 hit

自覚ページ10

「A～、って、……」

「よ、由伸っ！？」

「…VIP室で密会ですか」

「違…う、高山さんが、…」

「相談乗ってもらってた、アキレス腱断裂したから、」

「え、大丈夫っすか、」

「早く帰って休んでください、ね？」

「そーだな、そうする」

なんとも気まずいこの状況。高山さんと抱き合っている所を由伸に見られた。そして、今は由伸と2人きり。沈黙が流れる。

「由伸、」

「…」

「由伸、あのさ」

ｷﾞｭ

「な…、っ由伸？」

「疲れた、だから充電」

「彼氏じゃないんだから」

と言いつつも背中に手を回す私。でも先程からジリジリと私が壁に追い込まれてる気がする。由伸さん？調子に乗るのも程々に。

とうとう壁まで追い込まれた。

「由伸、？」

私に呼ばれた由伸は、私を抱きしめるのをやめた。

ﾄﾝ

次は壁ドン。いつも余裕ぶってる由伸じゃない。

「由伸、どうしたの？本当に、」

「…なんてなー、A余裕無さすぎん？」

「は？」

「なに、もしかして惚れちゃった？」

「…っ、うっさい！」

「真っ赤になってるー、可愛いー」

「もう！からかわない！」

私の頭をポンポンしてくる由伸。

ずっと分かりたくなかった。気付きたくなかった。

"由伸が好き"

ってこと。