友達の恋愛事情 ページ8
「彩音、ちょっと、彩音！」
「っ…な、何！？」
「何、じゃないよ、さっきから話しかけても返事しないし、どうしたの？」
「…じ、実は……告白されちゃって…」
「こ、告白っ！？」
「しっっ！声でかい」
彩音にもとうとう彼氏ができたかぁ、なんて呑気に思っていたら…。
「でも、私は…違う人が好きで」
「うわー、青春してんねぇ」
彩音が好きな人って誰なんだろう。でもわざわざ聞かなくていいや。なんて思っている。人の恋愛には全く興味が無い。
「え、誰か聞かないの？」
「いい、そういうの興味無いから」
「あぁ、そう」
なるほど。私に相談に乗って欲しいわけだな？お主は。と言おうと思ったけどさすがに結構な煽りになるからやめておく。
「なに、聞いて欲しいの？」
「私が隠しときたくないの、だから言うよ、樹くんなの、Aの幼馴染！！！」
へぇ…
「えぇぇえぇぇ！ちょっと、樹なの、！？え、うそ、あいつに何されたの！？正直に言いなさい！彩音！」
「A、声大きいよぉ…」
休憩中の西原さんや受付担当の方までこちらを気にするような素振りを見せている。恥ずかしい。けど、それとこれとは話が別だ。樹が、あの樹が、なぜ。←失礼。
「なに、樹と接点なんてあった？」
「前、Aが樹くんのリハビリ日に、リハビリ室に案内したの、そしたら意気投合しちゃって、」
「へー、…っていうかその告白の件はじゃあ断らないとね、」
「そーなの、どうしよう」
「素直に好きな人がいるからって言えば？」
「だって合コンの時に告られたんだもん…好きな人いるのになんで来てんのってなるじゃん…」
だからやめなさいって言ったのに…。
「そろそろ午後診療始めますよー」
西原さんの一言で動き出した職員。それにつられて動き出す私たち。
「また、話聞かせてよね」
「うん、」
二言だけ交わして私たちは自分の位置についた。
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作者名：renren | 作成日時：2023年2月2日 18時
