もうひとつの関西ダービー (ページ15)

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迷子ページ15

「Aさーん、由伸さんのこと好きなんですね」

「宮城くん？なんで知ってるの？」

「福也さんが…あ、」

「宮城、言うなって言ったよな？」

「さちさん、言わないでって言いましたよね？」

ただいま宮城くんとさちさんと私でご飯に来ています。理由は誘われたからなんですけど。

「さすがに宮城も由伸には言わないだろうし、」

「宮城くん、言ったら分かってるよね？笑」

「Aさん、怖いです」

結局、その後は内容の薄い話をして解散した。もう、全く。さちさんめ。

「お兄ちゃんなら少しは妹の恋愛を大事にしてほしい…」

そんな願いを1人の帰り道、街灯があまりない道を通りながら心の中で唱える。

「姉ちゃーん、こんなところ通って危ないよー、」

まずいと私の本能が感じた時には遅く、目の前に不良らしき人が5,6人。こういうこと、一回もないからわかんないだけど。

「あ、お気遣いありがとうございます、1人で帰れるんで、」

「送っていったろか？」

「あー、いえいえ、こう見えても成人してるんですよ？」

という一言を最後に私は勢いよく走り出した。

「お、おい！待てっ！」

不良らしき人たちの声が聞こえる。我ながら不意をついた。と自画自賛していると家に着いた…訳ではなく、

「ここどこ？」

まさかの迷子でした。