策士 ページ13
「トレーナーさん?あの人」
「そうですけど、樹が好きなわけじゃないですよ、」
誤解を解くことができない。由伸のことが好きだと言うか?いや、同じ球団の人に言うのはリスクが…。
「じゃあ誰が好きなの?」
意地悪な笑みを浮かべるさちさん。してやられた。さちさんは策士だな。
「い、言いません!」
「俺の球団だから?」
「も、もう!言いませんって!」
そんなに私の好きな人を知りたいのか。もうそこまで分かったらいいでしょうよ。
「それで、俺とよく喋る人でー、ちょっと意地悪?」
「っーーー!」
「顔真っ赤だよ、A、」
「もういいでしょ、そこまで分かったら」
「由伸ねー、あいつは良い奴だから了承してやる!」
「なんでさちさんの了承がいるんですか笑」
「だって大事な妹みたいだもん」
さちさんが私の頭を撫でながら言う。
私だってさちさんをお兄ちゃんと思っているけど、
「えー、さちさんがお兄ちゃんかぁ、」
「何か文句でも?」
「だってさちさん策士だもん」
少しはぐらかしてみたり。
「それは認める」
「認めるんかーい!」
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作者名:renren | 作成日時:2023年2月2日 18時