小鬼ちゃんと盂蘭盆祭り�� ページ8
ちなみに恥ずかしげもなく、お互い「あれ？これって間接キスじゃ？」となることもなくかき氷を食べさせあっている2人だが、これも幼い頃からずっとやっているので、A的には今更恥ずかしくないのだった。
茄子はどう思っているのかわからないが。
かき氷屋台のおっちゃんも「仲の良いカップルだな〜」と思っているようだが、おっちゃん、そもそもこの2人お付き合いしてないんやで…
この2人の関係は仲の良い幼なじみである。現状は。
ただ、茄子的には親公認で結婚前提でお付き合い中くらいに思っているかもしれない。
…ちょっと誰かどうにかしてあげて！？
という思いはきっと、地獄のNo.2の鬼神様がそのうち何とかしてくれるだろう。多分きっと。
「あはは、Aちゃん、舌真っ赤〜」
『そういう茄子も、舌真っ青だよ』
ベーッと舌を見せて笑い合うのも、小さな頃から変わらない。
「来年も、再来年も、その先もずっと、一緒にお祭りに来ようね」
Aの手を握って、そうポツリと呟いた茄子に、
『…そうだね』
と彼女も微笑む。
しかしすぐに、『ん？』と考えを巡らせた。
『(でもそれって、来年も再来年も私が茄子の面倒見なきゃってこと？)』
……それは嫌だな…
悲しいかな、茄子が言った意味と、Aが捉えた意味がだいぶ食い違っているような気がする。
『(早くちゃんと仕事できるようにならないかな…せめて凡ミスは無くしてほしい…
私も、まだまだ1人前には遠いけど)』
と、ちょっとだけため息をついた。
「Aちゃん、どうしたの？」
突然黙り込んでしまったAの顔を覗き込んで、茄子が首を傾げる。
『んーん、茄子と一緒に居ると大変だけど、楽しいなって』
説明が面倒くさくなって色々端折ってそう言ったら、茄子もまた別の意味に捉えたらしい。
「えっ…それって…」
嬉しそうな顔で目を輝かせた茄子は、
「俺もAちゃんと居ると毎日楽しいっ！」
そのまま彼女にギュッと抱きついた。
『ちょっと！？暑苦しいから引っ付くなってば！！』
Aは慌ててギュウギュウ自分を抱きしめてくる茄子を押しのけようとした。
抱きつかれるのも小さい頃から変わらないのだが、2人とも大人になったこともあり、また同じ小鬼で身長は一緒でも体格が違うので、ちょっと恥ずかしいらしい。
『茄子、浴衣着崩れちゃうから！』という言葉で、
「あ。ごめん…」と、Aはやっと茄子に解放してもらったのだった。
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めぐりずむ(プロフ) - コメントありがとうございます！励みになります…(๑•̀ㅂ•́)و✧お恥ずかしいとのことで削除依頼されていたので、消させて頂きましたが、すごく嬉しかったです！ (2022年9月17日 1時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - とても面白いです｡ (2021年11月7日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年9月23日 23時
