神獣様と女鬼神様�� ページ19
Aが桃源郷に向けて歩き出してすぐ、この前地獄の不喜処に就職したばかりの犬、猿、雉の3匹が反対側から歩いて来るのを見て、彼女は足を止めた。
彼らは元桃太郎のお供たちである。
1番最初にAに声をかけて来たのは、白い犬のシロだった。
「あ！A様こんにちはっ！」
『シロさん、柿助さん、ルリオさん、こんにちは』
「「お疲れ様ですっ」」
柿助とルリオも揃って挨拶をして頭を下げた。
対するシロは、犬らしくAに駆け寄って尻尾をフリフリ、しゃがみ込んだ彼女に頭を撫でてもらっている。
「…アイツ、すげーよな……」
「一応、俺らの上司なのにな…」
さすが犬…と、柿助とルリオはお互いにボソッと言い合った。
まあ、今現在シロを撫でくりまわしているAも心なしか嬉しそうだから、良いのかもしれない。
『皆さん、不喜処での仕事は慣れましたか？』
「うん！先輩にも色々教わって、毎日亡者を齧ってるよ！」
頭を撫でられながら聞かれて、シロが元気よく答えた。
『それは良かった』
皆さんが無事に職場に順応できているみたいで、安心しました。
と言った彼女を見て、あまり表情が変わらない人(鬼)だと思っていたけど、何となく雰囲気でわかるな…と、ルリオは考える。
初めて会った時よりも、纏う雰囲気がだいぶ柔らかいからかもしれない。
ひとしきりシロのもふもふを堪能して満足したのか、Aが立ち上がる。
「A様、どこか行くの？」
『はい。ちょっと桃源郷の仙桃農園に…』
とうげんきょう…？せんとうのうえん？
と、首を傾げたシロが、ハッとして叫んだ。
「あ、桃太郎が就職したところだ！」
『良ければ、皆さんも一緒に行きますか？久々に桃太郎さんに会いたいでしょうし』
Aの提案に、
「いいの！？やったー」とシロは嬉しそうに尻尾を振った。
「本当にいいんですか？」
俺らまだ新参者なのに、A様の仕事に同行して良いのだろうか…というルリオの問いに、すかさず彼女は頷いた。
『勿論です』
「天国側に行くのも久しぶりだな〜」
柿助も嬉しそうに呟いて、皆で連れ立って歩き出す。
こうして、Aと桃太郎ブラザーズの3匹は、一緒に桃源郷に向かったのだった。
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めぐりずむ(プロフ) - コメントありがとうございます！励みになります…(๑•̀ㅂ•́)و✧お恥ずかしいとのことで削除依頼されていたので、消させて頂きましたが、すごく嬉しかったです！ (2022年9月17日 1時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - とても面白いです｡ (2021年11月7日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年9月23日 23時
