女神獣様の憂鬱 ページ11
※和漢親善競技大会の時のにょ澤ちゃんのお話。
※控え室捏造。
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『はぁ〜しんどい…』
この格好って楽じゃないんだよネ…
和漢親善競技大会というオリンピックのような大会に、中国代表「乳白色組」の審判として参加していたAは、思わずため息をついた。
ちなみに日本代表は「赤黒色組」で、審判は鬼灯である。
2人とも選手の域を超えているため、今回は代表選手ではなく、審判として出場しているのだ。
彼女が今着ているのは式典用の漢服で、飾りやらヒラヒラした布やらがついていて、ぶっちゃけ動きにくい。
審判とはいえ、ちょっと疲れたな…
とAは軽く伸びをして、隣に居る狩衣姿(こちらもやはり式典用)の鬼灯をチラリと見る。
『(コイツと、長時間に渡っての仕事ってのがまた…憂鬱だ…)』
ふと、彼女は普段何かとちょっかいをかけてくる隣の鬼神が、今日はずっと静かなことに気がついた。
なんか、逆に気持ち悪い…
ああもう、早くこの大会終わらないかな…
なんて代表らしくないことを思ってしまって、Aは頭を振ってその考えを打ち消した。
何回目かの競技が終わり「只今より休憩時間です」というアナウンスが流れて、彼女は一息つくと、観客席で自分のほうをチラチラ見てはソワソワしている様子の女性陣に気がついて笑顔で手を振った。
「キャーッ！！」と女性陣から歓喜の悲鳴があがったのを見て、
『(また勘違いされてそうだな…ま、いいけどネ)』
とAは内心で呟く。
長かった髪を切ってから、何故か余計に男に間違われることが多くなった。
その方が、変な男共も寄ってこないし、気楽で良いけど。
今着ているこの漢服も中性的なデザインなので、間違われても仕方ないな…と彼女自身思っていた。
「Aさん」
『うわっビックリした…』
突然、後ろから鬼灯に名前を呼ばれて、ぼんやりしていたAは驚いて彼を振り返る。
気配もなく人の背後に立たないで欲しい…
と思いながら、『なに？』と問いかける。
「我々の控え室はあちらだそうですよ」
そう言って会場の室内のほうを指さす鬼灯に、
『…わかった』
と頷いてから、彼女は改めて正面から今日の彼の格好を見てみた。
『(コイツも、黙ってれば見栄えする容姿なのにな…今は特に)』なんて思う。
…絶対に言ってなんかやらないケド。
鬼灯と目が合いそうになって、慌てて逸らすと、Aは控え室のほうにスタスタと歩き出した。
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めぐりずむ(プロフ) - コメントありがとうございます！励みになります…(๑•̀ㅂ•́)و✧お恥ずかしいとのことで削除依頼されていたので、消させて頂きましたが、すごく嬉しかったです！ (2022年9月17日 1時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - とても面白いです｡ (2021年11月7日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年9月23日 23時
