女神獣様の憂鬱�� ページ13
『ぎゃっ！？』
「…危ないですよ。全く…」
色気のない声ですね。
とか言いつつも鬼灯が支えてくれたので、ソファーの上にひっくり返るだけで済んだが、傍から見ると彼に押し倒されているように見えなくもない。
『！？！？』
今の状況を理解して、Aは羞恥心で顔を真っ赤にした。
「鬼灯君、Aちゃん、もうそろそろ次の競技が…」
そう言いながら控え室の扉を開けた閻魔大王が、目の前の状況を見て一瞬固まると、
「あ、ワシ、お邪魔だった？ごめんね？」
と、すぐさま扉を閉めようとした。
オイコラ助けろよっ！！
と叫びそうになって、相手は閻魔様だしさすがに失礼だと思ってAは口を噤むと、いまだに自分の上から退こうとしない鬼灯を睨んだ。
『どけ馬鹿この変態闇鬼神っ！！』
「失礼な。危ないところを助けたのは私ですよ」
『危ないのはお前だ馬鹿！！もうボクの半径1m以内に近づくなっ』
鬼灯を押しのけて慌てて抜け出したAは、十分に距離を取ると彼を指さして叫んだ。
少なくともこの大会の最中は、審判故に一緒に居なければならないので、絶対にそれ以上近づくなと言うことしかできない。
Aは彼を再度睨みつけると、ひっくり返った際に若干乱れた髪飾りやら服やらをそのままに、扉前でポカンとしている閻魔大王の横をすり抜けて部屋の外に出ていった。
「鬼灯君…無理強いはよくないよ？」
「うるさいですよ大王」
「ちょっと！？ワシ悪くないよね！？」
それとなく閻魔大王に注意されて、別に先程のは不慮の事故であって、そういうつもりじゃなかった鬼灯は、半ば八つ当たりに近い感じでそう返した。
確かに、ちょっと惜しかったとも思ってしまったのは事実だけれど。
一方のAは、会場の廊下を歩きながら頭を抱えていた。
『最悪だ…今の状況も最悪だったけど、それを他人(閻魔様)に見られたのも最悪だ…』
本当に、
『あんな奴嫌いだ。大っ嫌いだ…』
まだ赤い頬を押さえて、Aはポツリと呟いたのだった。
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めぐりずむ(プロフ) - コメントありがとうございます！励みになります…(๑•̀ㅂ•́)و✧お恥ずかしいとのことで削除依頼されていたので、消させて頂きましたが、すごく嬉しかったです！ (2022年9月17日 1時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - とても面白いです｡ (2021年11月7日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年9月23日 23時
