【銀魂】真選組監察方の紅一点②【山崎退成り代わり】 (ページ45)

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星空と花火と告白と② ページ45

というか…デートって、

映画観に行ったりとか、食事したりとか、水族館や遊園地に行ったりとか…そういうのじゃないっけ？

ってそうだコイツ、指名手配されてるテロリストだったわ。

大手を振って歩けるような感じじゃなかった。
別に、ちょっと思ってたのと違う…とか思ってない。

周りを見渡すと、観光や宴会等でよく使われている、遊覧飛行ができるタイプの屋形船なのがわかる。

確かこの屋形船は、江戸の夜景が一望できるとのことで有名だ。

それにしては人の気配を全く感じないけど…

『この船、貸切り？他に人は…』

「拙者とA殿の2人きりでござるよ」

『………』

いや、この屋形船を操縦してる船長はいるよね？

「こちらには干渉せぬよう言ってあるのでな、実質2人きりでござる」

私の考えを見透かしたように、万斉が答えた。

この状況で(空の上で)、2人きりってかなりマズイのでは？

…いざとなったら、船から飛び降りて逃げよう。
下は海だし、大丈夫だきっと。

……いや、海面に叩きつけられて多分死ぬなコレ。
とりあえず、アイツが変なことしてきたらぶん殴ってやる。

私は逃げる算段は諦めてため息をつくと、もう一度眼下の、日が落ちてきて明かりがつき始めた江戸の町を見つめた。

ふと、ポツリと呟く。

『随分、変わっちゃったな…』

この町も、この国も。

遠目からでも、光っているのがわかるターミナルを見やる。

ちょっと前まで…と言っても、私が幼い頃ぐらいの話だけど。あんなものは建っていなかった。

それこそ、空を飛ぶ船なんてものも存在していなかったし、つくづく今私たちの身の回りにある便利なものは、天人によってもたらされたものなんだと思わされる。

今でこそ天人たちとの関係は(一応)落ち着いているが、この状態に至るまでには様々な事があった。

良い事もあれば……悪い事も沢山。

国として、幕府としては結果的に"良い事"であっても、藩士や庶民にとっては生活が一変し、苦しめられた者たちも居ただろう。

あの戦争に参加していた者たちなら尚更、得たものに対して、失うものが多すぎた。

彼らの憤りの炎は、未だあちこちで燻っており、それが火種となって過激な攘夷活動に繋がっているのも事実だ。

幕府を守る我々真選組のような立場の者たちと、
幕府に仇をなす攘夷浪士たちとの対立は、いつか終わりが来るんだろうか…

私は拳をギュッと握る。

ああ、なんだか妙にしんみりしてしまったな…