迷惑な酔っ払いには制裁を ページ6
今や、宴会場内に居るのは酔い潰れている者が殆どだ。
「全く…叫喚地獄の亡者共と同じですよこれじゃあ」
「叫喚地獄？」
大きくため息をついた鬼灯に、桃太郎が聞く。
「まあ、平たく言うと酒乱の落ちる地獄です」
と、その時、
「あ、いた！！閻魔様！鬼灯様！」
慌てた様子で1人の獄卒が駆け込んで来て叫んだ。
「大変です！！」
「叫喚地獄の亡者共が雑用係・
「！」
『ほえ？』
間の抜けた返事をしたAのことは一旦置いておいて、鬼灯が聞き返す。
「どういうことですか！」
せっかく更生施設(叫喚地獄)でリハビリ(禁酒)していたのに…
「亡者リハビリやってんの？」
「(てか八岐大蛇、雑用やってんだ…)」
桃源郷師弟が各々ツッコミをいれた。
「とにかく、私は今から叫喚地獄に向かいます」
万が一の時に…と、壁に立て掛けておいた金棒を掴み、鬼灯は残っていた獄卒皆に指示を飛ばす。
まあ、大半が酔い潰れている組なのでまともに動けるのはごく僅かだったのだが。
叫喚地獄の亡者たちは、元々生前の酒癖が悪い者ばかりで、かなり厄介なのである。
「危険なので、Aは待機していて下さい」
『やだ！私も行く！』
「我儘言わないで下さい」
私も行く！と言って譲らない彼女を宥める姿は、まるで駄々っ子に言い聞かせる父親のようで…
「(…お父さんかな？)」
やり取りを眺めていた桃太郎もそう思った。
『私だって役に立てるもん！』
お香が居れば、彼女を任せて行けたのだが、生憎先程帰宅してしまった。
「仕方ないですね…」
酔っ払った今の状態の彼女をここに残すのも心配ではあるし、
帰宅させるにも任せられる人物がいない
(桃太郎ならまだしも、白澤に任せるとかそういう選択肢は元から存在していない)こともあり、
鬼灯はまたもやため息をついて結論を下した。
「わかりました。くれぐれも邪魔しないで下さいよ」
『はーい！』
「あとかなり危険なので、絶対に私から離れないで下さい」
元気に返事をするAの手を取り、居酒屋の出入口へ向かう。
「貴方がたも、あそこの亡者はとにかくタチが悪いので、ついて来なくて良いですよ」
白澤、桃太郎に向かってそう言うと、鬼灯はAと獄卒数名を引き連れて走り出した。
「…そう言われると行きたくなるよね」
Aちゃんも心配だし〜
と言って後を追いかけようとする白澤に、仕方なく続いた桃太郎であった。
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めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
