盂蘭盆地獄祭り�� ページ34
「地獄もお盆祭りってするんスね」
『むしろ地獄の夏最大のイベントなんだよー』
「盂蘭盆は、現世目線で言えばご先祖の救済でしょうが…地獄目線で言えば、「地獄の釜の蓋も開く」時、つまり獄卒の夏季休業です」
ルリオの言葉に、Aと鬼灯が揃って説明する。
「夏休みがあって良かったよ！地獄って案外労働基準法がしっかりしてるね！」
俺、地獄だから夏休み無いかとちょっと思ってた…とシロが呟く。
「当たり前です！ブラック企業じゃないんですから！」
『皆いつも頑張ってくれてるから、こういう時はちゃんと休んで貰わないとね』
鬼灯君みたいなワーカホリックもいるけど…
とAは苦笑した。
「でもさぁ…皆一斉に休んだら、亡者の犯罪が増えたりしない？」
シロの疑問に、すかさず鬼灯が答える。
「このスキを見て犯罪を起こした奴は阿鼻地獄逝き…プラス、「中学時代の日記・文集をゴールデンタイムで全国放送の刑」です」
「…それは、人によっては阿鼻地獄よりも嫌かもね…」
中学時代なんて、黒歴史の固まりみたいなものである。
犬であるシロにだってそういう時期はあったから、なんとなく嫌なのもわかる。
ちなみに阿鼻地獄は地獄の最下層にあり、別名「無間地獄」とも呼ばれている。
そこに堕ちた亡者は、業火の中を2000年落下し続けるのだ。
それと、己の黒歴史かもしれない中学時代の日記または文集を声に出して読まれる(しかも全国放送で)のと、一体どっちがマシだろうか？
『まあ、毎年必ず1人は居るんだけどね…』
困っちゃうよね…
と、Aは眉を寄せてため息をついた。
「去年は、Aがその亡者を落雷で丸焦げにしました」
『鬼灯君っ！それは言わないって約束だったでしょ！？』
わたあめを齧ろうとした彼女は、驚いて隣の鬼灯に向かって叫んだ。
「ああ、すみません」
そういえば、『恥ずかしいから他の人には内緒にして』と言われていたんでした…
と鬼灯は思い出した。後の祭りだが。
『アレは、ちょっと力加減を間違えちゃっただけで…』
「本当はレアくらいに留めておくつもりが、ベリーウェルダンを通り越して、
『だから、言わないでってばぁ〜！！』
「そんな、お肉の焼き加減みたいに…」
夫婦のやり取りを聞いた柿助が、顔を青くして呟いた。
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めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
