盂蘭盆地獄祭り ページ33
※お盆の時期の話。
──────────
「いや〜夏だねえ〜」
お祭りが開催されている通りをてくてく歩きながら、桃太郎ブラザーズの内の1匹であるシロが呟いた。
「地獄にも四季ってあるんだね」
「年中暑いのかと思ってた」
更なるシロの呟きに答えたのは、同じく桃太郎ブラザーズである柿助だ。
「祭りとか運動会とか、結構行事多いよな」
やはり同じく桃(以下略)のルリオも、お祭りの様子を眺めながら呟いた。
「アレッ？」
向こう側からやって来る見知った人物を見つけて、シロが首を傾げる。
めちゃくちゃお祭りを満喫している様子の、
閻魔大王第一補佐官の鬼灯──
──服装こそいつも通りだが、
般若のお面を被って、片手にりんご飴やらヨーヨーを持ち、もう片方の手には金魚と風船、
腕には河童のビニールの玩具、
首には何かの景品なのかキツネのストラップを下げている───
──が、そこに立っていた。
「ああびっくりした…
大の男が、たった1人でこんなに心からお祭りを満喫しているという事実に…」
心底驚いて柿助が言った言葉に、
「1人じゃありませんよ」
お面を外しながら鬼灯が答える。
「あれ？鬼灯様、A様はー？」
てっきり、2人一緒かと思ったのに…と、シロが疑問を口にしたところで、
『あ、シロ君、柿助君、ルリオ君！』
鬼灯の後方から駆け寄ってくる、この地獄で閻魔大王を務める女性、Aの姿が見えた。
『こんばんは』
そうニッコリ笑って現れた彼女は、閻魔殿に居る時のいつもの姿ではなく、お祭りらしく浴衣を着ていた。
レトロモダンな紅と白の椿柄の浴衣に、
ターコイズブルーの半幅帯と、
トンボ玉がついた紅い紐の帯締めを着用し、
髪型は編み込みをしてお団子に纏められており、
オレンジ色のホオズキの装飾がついた簪を差している。
片手に、かご巾着と一緒にわたあめを持っているので、恐らくこれを買いに行っていたのだろう。
「わぁ〜A様、可愛いですね！」
シロの言葉に、
『ふふ、ありがとう』
髪型はお香ちゃんがやってくれたんだ〜
と、Aは嬉しそうに微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
