ニャパラッチ見参！�� ページ32
『鬼灯君、ちょっと可哀想だよ…』
嘆いている小判を見て、Aが言った。
「良いんですよ。ゴシップ誌の記者にはこれくらいで」
『絶対に嘘や変な事は書きません、って条件で記事にしてもらうのは？』
ダメかな？
と首をかしげたAに聞かれて、鬼灯はしばし考えを巡らす。
「………」
『改めて、私たちの仕事のことを知ってもらえる良い機会だと思うんだけど…』
報道部の畏まった記事とは違った形で、書いてもらうのもたまには良いんじゃないかな？ね？
と、彼女は鬼灯の手を握る。
「……わかりましたよ」
とうとう鬼灯が折れた。
「あ、ありがとうごぜーやす！！」
閻魔様は女神様か！？と小判は思った。
鬼灯が喜んでいる小判に向かって言う。
「もし大袈裟にデタラメなことを書いたりしたら…舌を抜きますね。Aが」
『私！？』
Aは自分を指さして目を見開いた。
『確かに、嘘つくと閻魔様に舌を抜かれるって諺はあるけど…』
私は判決を下すだけで、実際に舌を抜く拷問をするのは獄卒たちだ。
うーん…とAは頭を悩ませてから言った。
『じゃあ、約束破ったら針千本はどう？』
「まあ、それでも良いですが」
「(いや、どうって…)」
喜んでいた小判は再度、虚無顔になってしまった。
いくら妖怪になった身でも針千本は嫌だ。
というか無理だ。
閻魔様、さっき動物虐めちゃダメって言ってなかったっけ…？
女神様って思ったけど、やっぱり地獄の閻魔様だった。
まあ、Aとしては冗談のつもりだったのだが…
(鬼灯はどうかはわからないが)
言われたほうは、たまったもんじゃない。
「A様って、たまにぶっ飛んだこと言うよな…」
「絶対、鬼灯様の影響だよな」
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲〜ます♪ってやつだね！」
柿助、ルリオ、シロがそれぞれ言う。
いやわっち猫手だから、そもそも指切りできニャい…
現在日本に伝わる「指切り」は元々、江戸時代の吉原の遊女が発祥とされており、「げんまん=拳万」と「針千本飲ます」は後から付け足されたものだという。
生前遊女の飼い猫だった小判は、"それ"がどんなものか、よく知っている。
というか後ろ2つも、それ、どんな拷問？？
小判は思った。
ひょっとしたら自分は、手を出しちゃいけない人(鬼)に手を出してしまったのかもしれない…と。
そして、地獄の夫婦怖い…と。
「(ニャンか、胃が痛くなってきた…)」
時すでに遅し、である。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
