ニャパラッチ見参！�� ページ31
「さあ、普段は公開しない釜の説明までしましたよ。十分記事になるでしょう」
シロに絡まれていた小判が、慌てて言う。
「じゃあ、最後にお願い！やっぱり写真がねェと華がねーんスよ」
「ここをバックに1枚だけ！1枚だけでいいんで！」
そう頼み込んで来る小判に、
「…仕方ないですね。1枚だけですよ」
と鬼灯は了承すると、水がめをバックにと場所を指定する。
小判は「こだわりッスか？いいッスね〜」と嬉しそうだ。
『(あれ？確か、この時間って…)』
Aはふと、仕事用に持ち歩いている懐中時計(鬼灯とお揃い)を開いて時間を確認する。
今、16:59だ。
「ハイ！今！撮って下さい」
鬼灯の声にビクッとしつつも、小判は慌ててシャッターを切る。
パシャッ
17:00ピッタリに撮られた写真には、
鬼灯と、写り込んできたシロと、そして───
「フゥー、サウナ最高！水風呂、水風呂」
と言いながら、全裸で水がめに飛び込んできた奪衣婆が写っていた。
『やっぱり…』
鬼灯君、わざとこれを狙ってたんだな…とAは思った。
奪衣婆は、ここにある煮えたぎる釜の湯気をサウナとして利用して、その後17時ピッタリに水がめに飛び込むことを日課としていたのだ。
「何しとんじゃ婆あああああぁ！！」
「あ？何だいこの猫。あたしゃこれが日課なんだよ」
化け猫の本性を若干表した小判に爪を立てられても、奪衣婆は全く動じていない。
強い婆である。
「もう1枚！もう1枚！」
ニ゛ャーニ゛ャーと血涙を流す勢いで、小判が叫んだ。
「夫婦のツーショットでも良いんで！」
彼は必死に鬼灯に追いすがる。
「普通の！！普通のツーショットで良いんでっ」
だって、こんなのあんまりだ。
やっと撮れた写真が、地獄の鬼神様と白い毛玉と老婆の全裸が写ってる写真なんて…！！
どういう状況！？
「ダメです。1枚だけです」
「そんニャア〜」
キッパリ言ってその場を去ろうとする鬼灯に、
「何てお人(鬼)だチクショーめ！」
と小判は叫んだ。
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めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
