レディ・リリスのご来訪�� ページ21
「あるわよ。アタシにも好みくらい」
声が聞こえていたのか、リリスがくるっと振り向いた。
「この中なら貴方がいいわ。1日、付き合って」
そう言って彼女が指さしたのは、鬼灯だった。
『え…』
鬼灯が指名されると思っていなかったAは、思わず引き攣った笑顔を浮かべた。
『(た、確かに鬼灯君はカッコイイよ！？リリスさんが好みのタイプって言うのもわかるよ！？でもっ…)』
そこまで考えて、Aはギュッと拳を握った。
『(でも、リリスさんはEU地獄のNo.2であるベルゼブブさんの奥様だし…ここで断ってもし彼女の機嫌を損ねて、外交にヒビが入ったりしたら…)』
それはそれで大変なことになってしまうし…と頭を悩ませるAに、
「………」
鬼灯が何か言いたげに視線を向ける。
『…い、行ってきなよ』
思わず、心にもないことを言ってしまった。
「では、行きましょうかリリスさん」
「はぁい♥︎」
案外あっさりと、鬼灯はリリスを連れて歩き出した。
リリスに至っては、既に鬼灯にくっついて腕を組んでいる。
慌てて後を追おうとしたスケープが、
「失礼致します」と丁寧にお辞儀をして出ていった。
『あ…』
2人と1匹が出ていった扉を見つめて佇む。
『…なにさ、鬼灯君のバカ！
あんなにあっさり行かなくても……そりゃあ、リリスさんのほうが美人だし私よりも背が高くてスタイルも良くて素敵な女性だけどっ…』
胸もあるし…と、
言ってて自分で虚しくなってきたAは、その場にうずくまる。
行けって言ったのは自分なのに…
そもそも、別にデートとかじゃなくて、地獄の各所を案内するだけだ。
要はれっきとした、観光案内という仕事である。
なのに、どうしてこんなにモヤモヤするんだろう…
「あら？A様」
丁度、閻魔殿に入ってきたお香が、うずくまっているAを見つけて驚いたように駆け寄ってきた。
『お香ちゃん…』
「どうしたんですか？」
心配してそう聞いてくれるお香に、Aは先程あった出来事を説明したのだった。
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めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
