酒は飲んでも飲まれるな�� ページ2
しばらくしてテーブルに運ばれてきた料理は、辛そうな匂いの鍋だった。
「おっ、
「胃ィ荒れてんのに、そんな飲んで更に辛いもの…」
「僕、辛いの大好き」
ニコニコ顔の白澤に、
「またトイレに籠ることになっても、知りませんからねー？」といって桃太郎がお椀によそってあげている。
『桃太郎君もお母さんじみてきたね…』
Aは桃源郷師弟の様子を見て微笑んだ。
「鬼灯さんもどうぞ」
「あ、私は結構です」
「え…すみません。もしかして、俺たちがここに居るの怒ってます？」
「いえ違います。どうぞお気遣いなく」
『あっ！桃太郎君、鬼灯君はいいの』
「え？」
『いいからいいから！これは私が貰うね』
「………！」
最初はあまり興味が無さそうにやり取りを聞いていた白澤だったが、突如、1つの結論に思い至った。
「え………お前………もしかして、辛いの…食えない人？」
ピタッ
動きを止め、そして目を逸らす鬼灯。
「ほ〜〜〜？ほほほほほ
途端に、おてもと(箸)を扇のように広げて笑う白澤。
『(あぁ…絶対こうなるから言わなかったのに…)』
辛い料理が出てくる前に先手を打っておくべきだった…と、Aは後悔した。
鬼灯が辛い物が苦手なことは、実はあまり知られていないのだ。
「お兄さん、次中国を訪問する際は四川を案内しますよお〜〜」
そう言って高笑いをする白澤に、
「居ますよね。ああやって辛いものが苦手な人を何故か見下す辛党」
最低だと思いませんかA。
と鬼灯がこれ見よがしに言う。
『なんで私に聞くの！？』
「大して強くもないのに大酒かっ食らう小虎のくせに…殺殺処落ちろ」
ちなみに殺殺処とは、女性にお酒を飲ませ酔わせて関係を持った者が落ちる地獄のことである。
拷問の仕方は、男性ならば耳を塞ぎたくなるであろう内容だったりする。いや女性でも、うわ…痛そう…って思うけども。
「………」
あ、白澤様も図星でキレてるな…と、桃太郎は遠い目をした。
「…たかが肝臓が強いだけで何語ってんだか」
そう言い捨てた白澤に、鬼灯もまたキレて握力で酒瓶にヒビを入れていた。
空気は最悪である。
せっかくの飲み会の楽しい雰囲気もギスギスしてしまい、周囲もどうしようかと慌てはじめた。
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めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
