雪�� ページ5
「………」
「………」
「「またらぶらぶしてる」」
一連の流れを見ていた一子と二子が、手を繋いでくっついている2人を見て、ボソリと呟く。
「今更なんですけど、俺らもついてきて良かったんですか？」
そんな鬼灯とAに、もう慣れっこなルリオが思わず聞く。
双子の望みだったのだから、彼女らが居るのは当たり前として、自分たちはお邪魔じゃないか？と思ったのである。
『勿論！』
ニッコリ微笑んでそう言ったAとは対象に、
「御三方はやはり、いざと言う時カイロ代わりになるので」
と、鬼灯は実にざっくりとしている。
「カイロ扱い…」
「カイロかぁ…」
そんな彼の言葉に、シロと柿助が苦笑する。
『ちょっと鬼灯君、言い方！』
Aは隣の鬼灯を軽く窘めると、桃太郎ブラザーズ3匹に向き直って言った。
『皆が一緒に来てくれて、一子ちゃん二子ちゃんも嬉しそうだし…遊んでくれて助かってるよー』
「楽しい」
「うん」
一子と二子も、こくこく頷いている。
無表情だからわかりづらいが、2人もかなり楽しんでくれているようだった。
「お〜い」
ふと、声が聞こえて一行が周りを見渡すと、こちらに手を振って向かって来る人物が1人。
雪鬼の春一である。
「あ！春一さんだ！」
春一の姿を見つけるや否や、シロが「こんにちはー！」と1番に駆け出して行った。
「おー、犬ー」
「シロですっ」
「頼まれたもの持ってきたよう。あと、なまはげの皆から閻魔様たちに差し入れだってよぅ〜」
そう言うと春一は、背負っていた大きな風呂敷を下におろした。
どうやら、鬼灯からの連絡を受けて色々持ってきてくれたらしい。
ちなみに、「少しでも恩を売っておけ！」という
まあそこは言わぬが花、知らぬが仏だ。
『わぁ〜！お鍋の材料だ！』
開かれた風呂敷の中身を確認したAが、嬉しそうに言う。
「だから鍋背負って来たんですね、貴方」
鬼灯が指さした先、春一の背中には、先程の風呂敷の他にも土鍋が紐で結ばれてくっついている。
「「お前は土鍋を割りそうだから括り付けておけ」って、じーさんがよう〜」
失礼しちゃうよなあ〜とボヤく春一を見て、「いや割りそうだよな…」とは思っていても言えない一行だった。
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2023年9月25日 13時
