墓守アヌビスの日本訪問�� ページ16
「アレって、ピラミッドとかスフィンクスの呪いじゃなかったんだ！？」
「ピラミッドパワーを使って集中力を上げています」
驚くシロにアヌビスが答える。
「ピラミッドパワーって何だ？」
「さあ…」
隣のルリオに聞いてみた柿助だったが、ルリオも首を傾げている。
そんな2匹のために、Aが説明を始めた。
『えっと、ピラミッドパワーっていうのはね…簡単に言うと、ピラミッド形の物に宿ってる不思議な力のことで…精神集中を助けたり、頭の回転を早めたりする力のことかな』
「生命力を活性化させたり、食品などの腐敗を防いだりする力もあるとか。それが、ミイラを作る環境に適していると聞いた事があります。…諸説ありますが」
鬼灯がさらに付け加えると、アヌビスはうんうん頷いてから困ったようにため息をつく。
「墓荒らしは大体
「…ああ、だからですかね。イギリスで墓の周りをウロつく「
「えっ！？アレ、私がモデル！？」
アヌビスは驚いて自分を指さした。
「え〜…別の神様が元だって聞いてたけど、私が拍車かけたってこと？」
『イギリスの黒妖犬は、ギリシャ神話の女神ヘカテーの眷属が根源らしいけど…混ざっちゃってるのかな』
「確かに私、墓まわりウロつく黒い死神だけど、別に不吉じゃないのに…」
かなりショックだったらしく、「墓所を守ってるだけなのに…」と項垂れているアヌビスに、Aが慌ててフォローをした。
『あ、あのでも、
チャーチグリムは黒妖犬と特徴が一致するため同一視されることもあるが、基本的には墓地を墓荒らしから守る存在とされ、遠吠えで魂の行先を神父に伝えたりと、人に害を成すことはないとされている。
「何故でしょう？他人事に聞こえないのは」
よく、現世で墓地をウロウロしている鬼灯も思うところがあったらしい。
『現世の人からしたら、夜に墓地を1人でウロウロしてるってだけで十分怖いんじゃないかなぁ…』
「仕事してるだけなんですけどね」
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2023年9月25日 13時
