【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ八】 (ページ15)

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墓守アヌビスの日本訪問⑦ ページ15

「まぁ、今は現世の人間がミイラを作ることもないので、主に知識としての作り方を講義するだけですが……それでもエジプトの地下にはまだ埋もれているミイラがあります」

『日本の即身仏も、掘り返されていないままのものが、まだあるかもって言われてるんだよね』

「えー、埋めたのに忘れちゃうの？」

そう聞いたシロに、柿助とルリオがボソッと言った。

「シロもよく、もらったおやつ隠して忘れてるよな」
「確かに」

「あ、アレは野生の本能なのっ！！」

「「野生……？？」」

「ほらほら、話がズレていってますよ」

慌てたように弁解するシロと、首を傾げる2匹の同僚を見て、鬼灯が軌道修正をする。

アヌビスは「ごほんっ」と咳払いをすると、話を再開した。

「私はミイラ作りの神である以上、アフターケアもします！つまりミイラのための墓守でもあるんです」

墓守とはその名の通り墓を守る者、墓の番人であり、要は「墓所の管理者」である。
日本では「一族の墓を守る者」としての意味合いのほうが強い。

「…だから墓荒らしとかホント勘弁してほしい……」

「そっ、そうだよね！？世界でトップクラスで被害を受けてる墓守かも…」

『やっぱり居るんですね…』

急に落ち込んだアヌビスを慰めるように、シロとAが声をかける。

「墓荒らしに呪いかけてやるのも案外疲れるし…」

「あれは貴方の仕業か！」

「呪い」という言葉に「その話もう少し詳しく…」と若干前のめりになった鬼灯を見て、ルリオはAに尋ねた。

「なんか鬼灯様、興味津々ですね」

『鬼灯君、呪いとか呪物とかそういうの好きだから…』

「A様的にはどうなんです？それ…」

『うーん…できればあんまり危険な物には手を出して欲しくないけど……そういうの跳ね除けちゃうんだよね鬼灯君』

「それはそれで怖いッスね…(鬼灯様が)」
「A様が中和してるんだろな…」

むしろ、跳ね除けているのはA様のほうで、鬼灯様は吸収してるのでは？なんて思ったルリオと柿助だったが、黙っておいた。