【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ八】 (ページ13)

今日:6 hit、昨日:11 hit、合計:5,094 hit

墓守アヌビスの日本訪問⑤ ページ13

『び、びっくりした……』

もしかしなくても、エジプトからずっとあの状態で荷物(絨毯)にくるまってたってこと…だよね！？大丈夫だったのかな…

Aの心配をよそに、アヌビス本人は平気なのか至って元気そうだ。

「ああ、お久しぶりです、閻魔様！」

ご挨拶が遅れて申し訳ありません！と頭を下げてきたアヌビスにAは『いえいえ』と手を振って微笑みかける。

『アヌビスさん、お久しぶりです。お元気そうで何より…』

「いやあ、閻魔様は今日もお美しい！まさにヤマトナデシコ！東洋のクレオパトラ！」

『ふふ、ありがとうございます』

彼女の手を握って何やらべた褒めしているアヌビスをチラッと見て、ルリオは鬼灯に尋ねた。

「アヌビスさんはいいんですか？」

普段の鬼灯様なら、真っ先に阻止しそうなのに…と思ったのだ。

「……別に良くはないですけど、一応あの方奥様居ますよ」

あれはアヌビスなりの挨拶なので、許容範囲らしい。
一応は。

「はい！インプトという女神がいます！」

「いるんだ」
「(聞こえてるし…)」
「(鬼灯様の基準がわからん…)」

しっかり聞こえていたらしいアヌビスが、またも朗らかに答えた。

「エジプトの神々は既婚者なことが多いです」

「へー」

「日本のクレオパトラも皆さん素敵ですよ。樒(しきみ)さんも好きです。秤(はかり)の解るクレオパトラ！」

以前、秤の話題で盛り上がって仲良くなった樒のこともべた褒めである。

「女性を「クレオパトラ」と呼ぶのは貴方の癖ですか。それともエジプトの習慣ですか」

エジプトにそんな習慣はない、と思いたい。