【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ八】 (ページ12)

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墓守アヌビスの日本訪問④ ページ12

『確かにエジプトっぽいけどね』

エジプトといえば、ピラミッドとかスフィンクスってイメージ強いから…でもお部屋狭くなりそう…と、Aが苦笑する。

「開けますよ。いいですね」

持って帰れる大きさでもないので、シロの了承を得て、彼の代わりに鬼灯が荷物を開けた。

「あっ綺麗な…カーペット？」

『本当だ！すごくオシャレな絨毯だね～』

中に入っていたのは、模様も色合いも綺麗な絨毯だった。

『でもやっぱりちょっと大きい気がする…』
と、Aは丸まった状態の絨毯を見て思う。

「なんだか、これから起こることが予想できるような……」

何かを察した鬼灯は、絨毯の両端を持つと一応シロに確認を取った。

「広げてみても良いですか」

「うん！」

鬼灯が、丸まっているやけに大きい絨毯を広げると──

ゴロンッゴロゴロ

中から、人が(正確にはアヌビスが)転がり出てきた。

『！？！？』

「……やっぱり…」

「アヌビス神、エジプトらしく登場！！」

転がり出てきた勢いから、スチャッと華麗に起き上がってポーズを決めたアヌビスを見て、鬼灯以外は皆驚いて固まっている。

「え！？何！？何コレ！？」

状況が飲み込めずめちゃくちゃ戸惑っているシロ達に、鬼灯が説明を加えた。

「え～とあの、有名といえば有名なんですが……昔、クレオパトラがカエサルのもとへ会いに行った時、絨毯にくるまって隠れ、華麗に登場したとか…」

ちなみに、古代エジプトでは絨毯に贈り物や宝物(賄賂)を包んで渡す習慣があったらしい。

「あっ…え？へ～え…あ！？そういうこと？」

皆が理解するまでに少し時間がかかり、なんとも微妙な空気が流れる。

「アレ……？微妙に伝わりませんでした？」

それを感じ取ったのか、アヌビスも首を傾げている。

「ま、いいや！エジプトジョークですエジプトジョーク！」

そして朗らかに笑った。