【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ八】 (ページ11)

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墓守アヌビスの日本訪問③ ページ11

一方、数日後の日本、八大地獄。

此方にはちょうど、閻魔殿に大きな荷物が届いたところだった。

『鬼灯君！なんかね、シロ君宛に荷物が届いたんだけど…』

「シロさんに？」

仕事部屋で書類整理をしていた鬼灯がAに呼ばれて法廷のほうに出て行くと、何やら大きな荷物が出入口から何人かの獄卒の手によって運び込まれているところだった。

『そう。不喜処まで届けに行こうかと思ったんだけど、ちょっとサイズが大きくて…』

そう言いながらAが指し示した荷物は縦長で、確かに1人で運ぶには難しそうなサイズだ。

どうやらこの大きな荷物は、不喜処で働く元桃太郎のお供の1人(1匹)、シロ宛らしい。

「エジプトのアヌビスさんからですねコレ」

差出人を確認した鬼灯の言葉にAも頷いて、それから首を傾げる。

『シロ君、この前仲良くなったって言ってたもんね。じゃあ、アヌビスさんから贈り物かな？』

「そうかもしれません。とりあえず、シロさんには閻魔殿に来てもらうよう伝えておきます」

『うん。お願い』

シロへの連絡を鬼灯に任せて、Aは再度届いた荷物を見つめる。

『(それにしても…この大きさ、どんな贈り物なんだろう)』

すっごく大きな"ほねっこ"だったりして…なんて思って、尻尾をブンブン振って喜ぶシロを想像して微笑んだのだった。

一方、ひと仕事終えた桃太郎ブラザーズのシロ、柿助、ルリオは鬼灯からの連絡を受けて、閻魔殿まで足を運んでいた。

「鬼灯様ーA様ー！」

鬼灯とAの姿を見つけて廊下を走り出したシロの後ろを、「「廊下は走るなよ！」」と慌てて柿助とルリオが追いかけていく。

そんな3匹を見つけて、Aが笑顔で手を振った。

『あっ、シロ君！柿助君にルリオ君も、お疲れ様！』

「「お疲れ様です」」

ぺこりと挨拶した柿助とルリオの隣で、シロが尋ねる。

「何か御用？」

「はい。何やらシロさん宛で閻魔殿にエジプトから荷物が届きました」

『シロ君宛だし、勝手に開けるのもなぁ…って思って呼んだの』

それを聞いて、トコトコ近づいてきたシロが荷物を見て首を傾げる。

「エジプト？アヌビスさん？」

「はい」

「何だろ……スフィンクスかな！？」
「…欲しいか？スフィンクス」
「もらったとして、どこに置くんだよ…」

キラキラした目で嬉しそうに叫んだシロに、すかさずルリオと柿助がツッコミを入れた。