【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ八】 (ページ1)

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雪③ ページ1

突然ダイエットの特訓を言い渡されてしょぼくれているシロをよそに、一子と二子は「次は、かまくら作る！」と意気込んで、周囲の雪をかき集めはじめた。

『それなら、私もお手伝いするね！』

Aはそう言うと、双子と一緒に雪かき用のスコップで雪を集めはじめる。

今から作るのは、ドーム型と呼ばれる"かまくら"である。

以前、八寒地獄で"かまくら"を作った時は、皆遭難して必死だったこともあり、違いを気にする余裕もなかったが…他にブロック型というものもある。

ドーム型は雪を積んで中をくり抜いて作るが、一方でブロック型はその名の通り、雪のブロックを作ってレンガのように積み重ねていく、ちょっと難易度がアップしたかまくらである。

また、かまくらを作る際は、途中で雪に水をかけて固めると、より頑丈になるらしい。

まあ、そんな"かまくら"の豆知識(?)は一旦置いておいて…

どちらにせよ人手は必要なので、Aはまだこちらを傍観している鬼灯を振り返った。

『ほら、鬼灯君も』
「…仕方ありませんね」
『一緒にやったほうが早く終わるでしょ？』

ニッコリ微笑んだAに雪かき用のスコップを手渡され、やれやれ…といった感じで作業を開始した鬼灯を見て、シロがボソッと隣に居る柿助とルリオに耳打ちした。

「なんか、休日に駆り出されるお父さんみたいだねっ」
「あー…まあ、確かに…」
「何だかんだ毎回付き合ってあげてるよな、鬼灯様」

「前にA様が、『鬼灯君は厳しいとこもあるけど、本来は面倒見が良くて優しいんだよ～』って言ってたの、今ならわかる気がする！」

「俺らや桃太郎に就職先紹介してくれたのも、鬼灯様だったもんな～」

「……優しいのはA様限定な気が…」

「そこ、聞こえてますよ」

「「「ハイッ！スミマセンッ」」」

別に悪いことは言っていないのだが、何故か反射的に謝ってしまった桃太郎ブラザーズなのだった。