レディはショッピングがお好き�� ページ10
元の服装に着替えたAは、またもやリリスと妲己に両腕をがっちりホールドされた状態で連行されていく。
『あの、せめて普段着れるようなものにして下さいっ』
というAの必死の訴えに、
「それなら、下着とかどお？」
とリリスがニンマリして言った。
『下着！？』
いや確かに普段着れるものとは言ったけど…！？
「あら、いいじゃない！」
「A様、おパンツはこの世で1番大事な布ですし」
『お香ちゃんまで…っ』
妲己と、それからお香にまで賛同されて、Aは現世でも人気なランジェリーショップの商品を揃えている店に連れて行かれた。
さすがにそのエリアに男だけでずかずか踏み入るのも憚られて、男性陣は近くのベンチで待ちぼうけ状態である。
ただ、試着室が近くにあるのか、女性陣の会話だけはめちゃくちゃ聞こえてきた。
『無理です！そんなっ…だって、透けてるじゃないですかっ』
何を守ってるんですかソレ！？
というAの叫びが聞こえてきて、
「あら、男性はこういうの好きよ普通。ねぇ？妲己」
「そうねぇ〜鬼灯様も多分お好きよ？」
『無理ですーっ！！』
「ううん…ちょっとA様にはセクシーすぎますね」
なんて会話も聞こえてきた。
「……だそうだが？」
「ノーコメントで」
突然、隣に居るベルゼブブに話題を振られて、鬼灯は前を向いたまま淡々と答える。
「え〜めちゃくちゃ見た…ギャッ！？」
ニヤニヤしながらそう言った白澤の顔面めがけて、鬼灯は目潰しを繰り出した。
チッ…避けられたか…と舌打ちしてから、
「今のうちに目を抉り出しておきましょうか」
と、鬼灯は懐にしまっていたものを取り出して呟いた。
「貴方、本来は目がいっぱいありますし、2つくらい無くても構いませんよね？」
「構うわ！！というかそれ、たこ焼きひっくり返すやつだよな！？」
何でもかんでも武器にすんなっ
白澤はどす黒いオーラを出している鬼灯から、慌てて距離を取る。
ベルゼブブも、その様子を見て青ざめていた。
「地獄には目玉焼きというモノがあるんですよ」
ボソリと呟いた鬼灯の言葉に、端っこで待機していたスケープも檎も青ざめる。
皆が知っている卵のやつではなく、本物の目玉を使ったやつである。
「"神獣の目玉"で売り出したら良い値で売れそうですね」
「ふざけんなこの闇鬼神！」
そんなやり取りを見て、
「(発想がバイオレンスすぎる…)」
スケープは改めて、あの方恐ろしいな…と思ったのだった。
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
