レディはショッピングがお好き�� ページ7
『もう…鬼灯君、仕事の報連相には厳しいくせに、こういう事は報告しないんだから…』
「それとも、私がリリスさんとデートしたほうが良かったですか？」
唸っているAを見つめて、逆に聞いてみる。
『ゔ…そ、それはっ……嫌、だけど…』
鬼灯君、わかってて聞いてるでしょ！？
ぐっ…と言葉に詰まったAは、鬼灯の袖を掴んで
『いじわる…』と上目遣いで呟いた。
「………すみません、今のもう1回良いですか？」
『なんで！？』
対する鬼灯は「冗談ですよ」と返そうとしたのに、思わず本音が出てしまったらしい。
『というか、白澤君も白澤君だよ！？』
リリスさんに旦那さんが居るって知ってたんでしょう？
「そうだそうだ！もっと言ってやってください閻魔様！！」
Aに指摘されて、更にベルゼブブが加勢してきたので、白澤は余計気まずそうにしている。
「あの…いや、スミマセン……リリスちゃんが旦那公認って言うから…」
「公認よ」
それまで妲己と一緒に男性陣(＋A)のやり取りを眺めていたリリスが、すかさずそう言った。
「すっごい空間だな、よく考えると」
鬼灯の呟きに、改めてこの場に居る面子を確認する。
まあ、Aと鬼灯、それからお香のことはややこしいので除外するとして──
ベルゼブブとリリスの夫婦。
同伴(この場合は水商売的な意味)の白澤と妲己。
リリスと妲己は友人同士。
そしてリリスと白澤は愛人関係。
──カオスである。
自分の上司たちのそんなやり取りを傍から眺めていた檎とスケープが、ボソボソと小さな声で会話していた。
「いや〜すごい組み合わせじゃの〜昼ドラみたいじゃ」
「そうですね…貴方も荷物持ちですか？」
いやはや、お互い大変ですね…
と呟いたスケープに、檎が笑って返事をする。
「まぁ、ワシはもう慣れとるからの〜」
「同じくです」
ワガママに振り回されるのにも、慣れてしまいましたよ…と、スケープは頷いた。
「それよりも、閻魔様じゃ…」
檎はそう言うと、カオスなメンバーの中に居るAをチラリと見た。
「ああ…リリス様と妲己様のあの感じ、もう手遅れですね」
スケープは、何やらお互いヒソヒソ話し合ってから、Aのほうを見てニッコリ微笑んだリリスと妲己を見て呟く。
悪女2人が何を考えているのか、付き合いの長い檎もスケープも大体分かってしまって、「閻魔様、おいたわしや…」と思わずにはいられなかった。
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
