【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ48)

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オシャレは人それぞれ③ ページ48

そこへ、

「いやいや、そんな悩み贅沢三昧ですよ」

更に会話に割って入ってきた人物が1人。
その声に一同が振り向いて、そして食事中の手を止めて固まった。

「「「…………」」」

「どうも、記録課の葉鶏頭です」

立っていたのは、髪の毛がほとんど残っていな…ゲフンゲフン…角が立派な、記録課の主任、葉鶏頭だった。

彼は皆から少し離れた席に座ると、恨めしそうにボソリと呟く。

「髪セレブ共め…こちとらスキンヘッドしか選択肢がないのだぞ……」

「……なんか、ごめんなさい…」

思わず蓬も謝罪してしまった。

『葉鶏頭さんは、今のままで十分素敵だと思いますよ？』

「A、あまりフォローになってませんよそれ」

『えっ！？』

A的には良かれと思って言ったのだが、鬼灯にツッコミを入れられてしまった。

「いいんですよA様。お気遣いなく」

そう言うと葉鶏頭は1人で黙々と食事を始めた。

『うぅ…そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ…』

隣でしょんぼりしているAの頭をぽんぽん撫でながら、鬼灯は鬼の遺伝について話し始める。

「純粋な鬼の場合、男性ホルモンが強い程、天パがきつくて角も大きくなると言われていますね」

「鬼灯様は？」

と、それまで皆の周りをウロウロしていたシロが問いかけてきた。

「私は元々人から鬼神になったので…他の鬼の方とはちょっと違うんですよ」

『鬼灯君は、小さい頃から髪の毛サラサラだったよ～』
私もクセ毛だから、羨ましいくらい…

少し立ち直ったAが、横から付け加える。

「まぁ、それは置いておいて…鬼だって鹿と同じで男のほうが角がでかいんですよ」

「へー」
世の中、角がある種族は皆そんな感じなのかなぁ～…と、シロは思った。

「俺とか、天パキツイのに角が小さいから髪型苦労するんだよ」

「あー、やっぱ角が見えてないとダサいからな～」

蓬の言葉に、葱が「わかるわかる～」といった感じで頷いている。

「"鬼あるある"なの？それ…」
犬の俺にはよくわかんないや…

シロは周りの皆(A以外)の頭の角を見つめて、首を傾げたのだった。