【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ45)

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豆とカカオとチョコレート⑩ ページ45

ピーチ・マキのセカンドシングル「甘ったるチョコレート♡」のタイトルが相応しいくらい、甘々な雰囲気の中、

ふと、先程自分が散らかしたカカオ豆と、まだ残っているカカオの実、それからイベントに使用して拾い集めたものたちを見て、Aが呟いた。

『そういえば、このカカオ豆たちどうするの？』
直接は苦すぎて食べれないけど、ちょっと勿体ないよね…
床に落ちたやつも、捨てちゃうには勿体ない気がするし…

「そうですね…これを元にチョコレートの川を作って、その中に亡者をぶち込もうかと」

『チャーリーとチョコレート工場かな！？』

鬼灯の意見に、夢もあってブラックユーモアも満載な映画(小説)が思い浮かんで、Aはツッコミを入れた。

「亡者もバレンタインが実感出来て良いでしょう？」
地獄にしてはめちゃくちゃ甘いほうですよ。チョコですし。

『う、うん…そう…かなぁ？』

鬼灯に抱きしめられたまま、Aは首を傾げる。

熱々のチョコに投げ込まれる亡者たち…
うーん、血の池地獄ならぬチョコレート地獄だろうか。

そんな光景を想像して、苦笑した。

まあ、甘い物やチョコ嫌いな人にとっては拷問に等しいのかもしれない。
人間も、チョコレートの食べ過ぎは身体に毒だし。

『今回のイベント、節分も兼ねてるから、てっきりマシンガンとかに豆を装填してサバイバルゲームみたいにするのかと思ってたよ』

ああ、でもそれだとバレンタイン要素がないか…
と、冗談めかして言ったAの話を聞いて、鬼灯がハッとしたように呟いた。

「良いですねそれ。来年やりましょう」

『えぇっ！？』

来年は節分×サバゲー！？なんて思いつつも、

『(……まあでも、鬼が節分楽しんだっていいよね)』とも思ったAだった。

ちなみに、鬼灯が貰った大量のチョコは、Aと2人で美味しく頂きましたとさ。