【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ5)

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レディはショッピングがお好き⑤ ページ5

その後も、欲望のままに色々と買い物を続けているリリスを見て、お香は驚いていた。

「す、すごい…バーゲンなんて目もくれず欲しい物を片っ端から…」

「すみませ～ん、簪10本くださ～い」

今度は別の方向からそんな声が聞こえてきて、

「えっ、あっちも！？」

と3人でそちらを振り返った。

「我买单(はらうよお)～」

「謝謝(ありがとう)～」

そう言いながら歩いているのは、白澤と妲己だった。
荷物持ちとして、檎も後ろにくっついて行っている。

『白澤君に妲己さんまで！？』

「女王様と犬の巣窟かここは」
簪10本とか何に使うんですか。暗器か？

ボソリと呟いた鬼灯は、

「A、行きましょう」

とAの手を引いて上に向かうエスカレーターに乗った。
必然的にお香もついて来る形になる。

『ちょっと鬼灯君、挨拶しないの！？』

手を引かれたまま、慌てたようにAは後ろを振り返る。

「出先で取引先の赤裸々なプライベートを見てしまうと、何か全力で避けたくなりません？」

『いやでも、一応礼儀として挨拶はしなきゃ…』
エスカレーター乗っちゃったけど…

と、下に居る4人(＋スケープと檎)を見つめていたら、ちょうどエスカレーター前で鉢合わせていた。

「「あっ」」

リリスと妲己がお互いに声をあげて、

「「「「あっ！」」」」

それから4人がコチラを見上げて声をあげた。

Aとお香と一緒に下を見つめていた鬼灯が、「何も見てませんし知りません」といった風にしれっと前を向く。

「気付いてて挨拶しなかったなコノヤロオオオオ！！」

そんな鬼灯の姿に気がついたベルゼブブが、ブーンッと羽音を立てて飛んで来て、彼の肩をガシッと掴んだ。

『あ、そっか、ベルゼブブさんて飛べるんだ…』
蝿の王だもんね。ちょっとビックリしたけど…

なんて思っていたら、肩を掴まれてバランスを崩した鬼灯がそのまま下に転がり落ちて行った。

『鬼灯君ーー！？』

Aは思わず自分も駆け下りそうになって、お香に止められた。

「A様、危ないですから下りのエスカレーターでおりましょう」

『うん…大丈夫かな…』

こうして結局、この場に居る全員が顔を合わせることになったのだった。