豆とカカオとチョコレート�� ページ37
まあ、現代人なんて多分、節分だからとりあえず豆まいとけ〜！！的なノリでやってる人もいるだろうし、
恵方巻きとかも、節分でキャンペーンやってるし、食べとくか〜みたいな人もいると思う。
恵方の方角を向いて、願い事をしながら無言で1本丸かじりするのは結構大変だけれども。
「俺は節分よりバレンタインに興味あるなあ〜」
チョコ美味しいよね〜と、今までの会話の流れなんて全く気にせず、茄子が呟いた。
「ああ…茄子さんは臆面もなく「頂戴」って言えるタイプですね」
女性の方々に「チョコ下さい〜」って言ってる姿が目に浮かびます。
と、若干ヨダレを垂らしている茄子を見て、鬼灯は思った。
「しかし最近は、バレンタインも盛り上がりに欠けますね」
友チョコが主流になりつつあるからでしょうか…
鬼灯が呟いた言葉に、唐瓜は首を傾げる。
「あれ？でも、鬼灯様はバレンタインにチョコ貰いますよね？A様から」
「当たり前じゃないですか」
「アッハイ…なんかすみません…」
「「(即答だった……)」」
秒で答えが返ってきて、唐瓜も茄子も周りの獄卒も、同じことを思ったのだった。
「まあ、職場内のチョコレートは賄賂の可能性があるので基本禁止ですよ。Aも仕事中に渡してくることはありませんし」
「え〜！？そのくらい良いんじゃないですか〜！？」
知らなかった…！と、唐瓜が驚いたように声をあげる。
「以前、ハニートラップでの不正昇進が結構あったんですよ」
「ハニートラップ……」
ああでも、衆合地獄だと普通にありそう…ちょっと興味あ…ゲフンゲフン。
唐瓜は自分が考えたことを打ち消して慌てて咳払いをすると、疑問を口にした。
「で、でも、皆こっそりやってません？」
「でしょうね。まあ、良識の範囲内ってことです」
「(あ、その辺は黙認して下さるんだな…)」
度が過ぎなければ、まあ良しとされているのだろうか。
「鬼灯様もですけど、A様とか、立場上プライベートで色んな方から貰ったりしそうですよね〜」
「A様優しいから、下さいって言ったら普通にチョコくれそう！」
唐瓜と茄子の言葉に対して、鬼灯がぴしゃりと言った。
「……女性はまあ良いとして、男性の逆チョコは許しません(私が)」
「デスヨネー」
( )内が普通に聞こえた気がして、唐瓜は苦笑する。
「ちなみに、他の男に渡すのも許可してませんから(私が)…期待しても無駄ですよ」
「「「(相変わらず独占欲が強いなこの方…)」」」
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
