謹賀新年 ページ31
※1月1日の体で書いてます。
※良いタイトル思いつかないww
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「も〜うい〜くつ寝〜ると〜〜♪お〜しょうが〜つ〜♪」
元気よく歌いながら歩いているのは、犬のシロ。
桃太郎の元お供のうちの1匹である。
「いやもう正月だけどな」
元日だし。とツッコミを入れたのは猿の柿助。
シロと同じく、桃太郎の元お供で(自称)チームのブレインである。
「その歌って、いつ歌うのが正解なんだろうな？」
ふと、浮かんだ疑問を口にしたのは雉のルリオ。
やはり桃太郎の元お供で、ロケットランチャーの異名を持つ日本の国鳥である。
「12月25日まではクリスマスな雰囲気だから、それ以降から年末にかけてとか？」
柿助の呟きを、「おしょうがつには〜凧あげてぇ〜♪」とシロの歌声が遮った。
ちなみに、つい数週間前までシロは、ジングルベル等のクリスマスソングを高らかに歌っていた。
年が明けても、相変わらずシロは呑気である。
閻魔殿の前を通りかかった3匹は、挨拶に向かう前に見知った顔を見つけて声をかけた。
「あ！鬼灯様、A様ー！」
いの一番に声をかけて駆け寄って行ったのは、やはりシロだった。
「あけましておめでとうございますっ！」
尻尾をフリフリ元気に挨拶したシロに続いて、柿助とルリオも新年の挨拶をした。
「おや皆さん、あけましておめでとうございます」
『シロ君、柿助君、ルリオ君、あけましておめでとうございます』
今年もよろしくお願いします。と、
先に挨拶を返した鬼灯に続いて、普段とは違い、薄紅の色無地の着物を着ているAが笑顔で返してお辞儀をする。
編み込みをしてお団子に纏めた髪にさしてあるホオズキの簪が、しゃらんと揺れた。
Aに両側からくっついていた双子の座敷童子、一子と二子も、
「あけおめ」
「ことよろ」
と、現代風な挨拶をシロたちに返す。
2人も、普段とは違って赤とピンクの大きな椿柄の振袖を着ている。
一子が黒地、二子が白地で、同じちりめん細工の花の髪飾りを頭につけていて、双子らしくお揃いコーデになっている。
基本、2人とも無表情なので分かりづらいが、晴れ着を着てオシャレしているのがかなり嬉しいらしく、お互いの格好を見つめて、時々小さな手鏡(Aに買ってもらったらしい)を取り出しては「むふん」と鼻から息をついて満足そうにしていた。
ちなみに鬼灯は、いつもの格好に帽子を被っているだけである。
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
