レディはショッピングがお好き�� ページ4
「はぁ〜つい、色々買っちゃった。もう何買ったかも定かでないわ」
袋を抱えて戻ってきたお香に、Aは声をかける。
『お香ちゃんお帰りなさい。何か良い物買えた？』
「A様、お待たせしちゃってごめんなさい。ええっと…」
そう言うと、お香は袋の中身を確認して…
「アラやだ、おパンツばっかり10着も！？何でかしら！？」
結構大きな声でそう叫んだ。
「まあでも、いいっちゃいいか！この世で1番大事な布だし、おパンツは！」
はかなきゃ！と、これまた大きな声で言っているお香の横で、周囲の視線を集めているのを感じたAと鬼灯が揃ってストップをかける。
『お、お香ちゃん…』
「淑女があまり大声でパンツパンツ言わないほうが良いですよ」
「ダメねぇ〜"バーゲン"って聞くと、判断力が鈍るのよ」
余計なものまで買っちゃうのよねぇ〜と照れ笑いしているお香に、鬼灯が同意した。
「イヤ、わかりますよ。私も最新家電と聞くと、つい買ってしまいますし」
『鬼灯君のそれは電気イスのことだよね…』
そんな、亡者の拷問用のものを、新しい電子レンジ買っちゃった！みたいなノリで言わないで欲しい…
うん、でも確かにこの前買ってたな…
と、Aは遠い目をして思ったのだった。
「スイマセ〜ン。このキモノ、ここからここまでぜ〜んぶください」
「ええっ！？」
突然、豪勢な買い物の仕方をしている声が聞こえてきて、お香は驚いたようにそちらを振り返った。
一方、Aと鬼灯は、聞いたことのある声だったような…と、同じく振り返る。
『あ、リリスさんとベルゼブブさんだ！』
3人の目線の先には、お高い着物を何着も手に持ってご機嫌なリリスの姿と、そんなリリスを超絶甘やかしているベルゼブブと、そしてお付きのスケープが居た。
「ダーリンお財布〜」
「ハハハハ、いくらでも買ってやるぞ。ピピッとな」
リリスにおねだりされて、ベルゼブブは金額もろくに確認せず、キャッシュレス決済を済ませていた。
いいのかそれで。
「リリス様、最近催眠術の本買ってたなぁ〜…まぁ別にいいけど」
荷物持ちとして連れて来られたスケープは、「もう知らんわこの夫婦…」という表情で呟いている。
「アレは、支払いをねだっていたのか、
それとも"ダーリン=お財布"なのか…どっちでしょうね」
『うーん、前者であって欲しい…』
鬼灯の呟きにAは苦笑いすると、
『リリスさんはやっぱり買い物の仕方が違うなぁ〜…』なんて思った。
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
