冬至にクリスマスに大掃除�� ページ26
『あ、そうだ。お正月は晴れ着を着て、一緒に初詣行こうか！』
更にそう言われて、
「晴れ着…」
「初詣…」
双子は顔を見合わせると、先程よりも力強く頷いた。
「「…行く！」」
『うん。じゃあ、一子ちゃんと二子ちゃんとも約束ね』
ゆびきりげんまん〜
両手の小指で2人と指切りしているAに、鬼灯がため息をついて言った。
「全く、甘やかしすぎですよ」
『鬼灯君も行くでしょ？初詣』
「行きます」
即答した鬼灯が双子とそっくりで、Aは思わずクスクス笑った。
『それじゃあ、一子ちゃん、二子ちゃん。お留守番お願いします』
本日3回目となる着替えを終えて、アイボリーのニットワンピースとピンクベージュのノーカラーコートに身を包んだAが一子と二子を振り返る。
2人は初詣に行く約束をした後、部屋までくっついてきたのだ。
「チキン忘れないでね」
「ケーキも忘れないでね」
『ふふっ、わかりました！』
双子から念を押されて、Aは微笑むと『行ってくるね』と手を振って部屋を出た。
コートにマフラー、耳あてに手袋、防寒対策はバッチリである。
閻魔殿の外では、既に着替えを終えた鬼灯が待っていた。
『鬼灯君、お待たせっ』
一方の鬼灯は、
黒いピーコートと先程Aがプレゼントしたマフラー、それから角と耳を隠すため、耳あて付きの帽子をかぶっている。
『あ、マフラー！早速つけてくれたんだ』
「はい。せっかく頂いたので」
『鬼灯君、何着てもカッコイイから色も悩んだんだけど…やっぱりこの色にして良かった〜』
うん！長さもちょうどいいね。
と、言いながらAは鬼灯のマフラーの結び目の形を整えてあげた。
「…A」
『なあに？』
「1回、抱きしめても良いですか」
『えっ！？なんで！？』
というかもう既に抱きしめられてるけどっ…
突然ギュッと抱きしめられたAは、混乱しつつも鬼灯を見上げる。
「…嬉しかったので」
『そ、そう？』
喜んでもらえたなら、何よりだけど。
とりあえず満足したのか、鬼灯はAから離れると、今度は彼女の手を握って歩き出した。
『そういえば、現世のどこに行くの？』
「とある遊園地で大規模なイルミネーションが開催されているので、そこへ行こうかと思いまして」
『今は遊園地でもイルミネーションが見れるんだね〜』
というか私、ちゃんと見に行くの初めてかも。
そんな会話をしながら、2人は現世へと向かったのだった。
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
