【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ24)

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冬至にクリスマスに大掃除⑧ ページ24

普段の着物に着替え終わって、髪を結んでたすき掛けをしたAは、
『私も手伝おうかな～』と大釜がしまってある倉庫に向かうと、中で唐瓜茄子の2人と立ち話をしている鬼灯に声をかけた。

『鬼灯君、お手伝いに来たよー！何の話してるの？』

「あっ！A様、お疲れ様です！」
「お疲れ様で～す！」

こちらを振り返って挨拶をしてきた唐瓜と茄子に、
『2人ともお疲れ様！』とAも返す。

「ああ、着替え終わったんですね。今、片付けの際に昔の物が出てくると、つい手が止まってしまう…という話をしていました」

『あぁ～わかるかも』
こんなのあったなぁ～！とか、あっ！コレここにあったのか！とか、なるよね。

「茄子のやつ、すぐ気が散って全然片付かないんですよ」
「だって、懐かしくって～」

えへへ～と頭を掻いた茄子に、唐瓜がため息をついた。

「私はこの前掃除した際、カラカラに干からびた金魚草と、謎のメモが出てきましたね」

『あぁ、この前「これ、何のことだと思います？」って見せてくれたメモ…結局よくわかんなかったね』

「日誌に挟まっていたということは、仕事中に書いたと思うんですけどね。全然記憶がない」

「あ～そういうのってありますよね」

頷く茄子の横で、はたと鬼灯が気がついて言った。

「というか、こんなこと喋ってる場合じゃないです」

「あっスミマセンッ！！」

唐瓜が慌てて茄子を引っ張って、作業に戻って行く。

『よーし、私もやるぞー』

タワシと洗剤を両手に持って気合いを入れているAを見て、鬼灯が呟いた。

「千と千尋みたいですね」

『あはは！じゃあ私は油屋の大湯番かぁ～』
あれ、お掃除大変そうだよね～
でも、ちょっと行ってみたいよね油屋。

大釜を磨いていたAは、ふと、いつもとは違うものを見つけて、おや？と思った。

亡者がツリー(？)に飾られてる…

『あれ、鬼灯君が考えたの？』

「そうです。クリスマスっぽいでしょう」

とんでもないオーナメントである。

大釜掃除も終盤、洗いたての釜で湯を沸かして、さらにそこに柚子を入れていく。

『いい香り～』

「さて、それではあの亡者たちを柚子湯にぶち込みましょう」

鬼灯はそう言うと、問答無用で亡者を湯に突き落としていく。
地獄ならではのすごい絵面だ。

「柚子はヒビ、あかぎれにも効くんですよ」

『煮すぎて柚子溶けてるけどね…』

「毎年これを見ると年末って感じがします」

鬼灯の言葉にAも『そうだねー』と頷いた。