【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ22)

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冬至にクリスマスに大掃除⑥ ページ22

『さてと…私も大掃除頑張らなきゃ！』

まだまだやる事はいっぱいあるぞー！
と気合いを入れ直して、『あ、でもその前に…』とAは袋の中に一緒に入れておいたラッピングされたプレゼントを取り出すと、
河原のゴミを纏めて獄卒たちに指示を飛ばしている鬼灯のもとに駆け寄った。

『鬼灯君！』

「ああA、お菓子は配り終えたんですか？」

『うん。私も着替えて、掃除に参加するね』
このままだと、この衣装汚しちゃいそうだし…閻魔殿に帰って、一旦着替えてくるよ。

『その前に…はい！メリークリスマス！』

そう言うとAは、赤と緑のクリスマスカラーでラッピングされた袋を鬼灯に差し出した。

「これは…」

『鬼灯君にも、ちょっと早いけどクリスマスプレゼント』
本当は帰ってから渡そうかなって思ってたんだけど、今せっかくサンタの格好してるから。

少し驚いたように袋を見つめている彼に、Aは微笑みかける。

ちゃんと手を洗ってからプレゼントの袋を受け取った鬼灯は、一応彼女に確認をした。

「今、開けても良いですか」

『うん！』
なんか、プレゼントを開ける瞬間って、あげた側も「喜んでもらえるかな？」ってドキドキしちゃうよなぁ～

なんて思いながら、Aは鬼灯の様子を伺う。

中に入っていたのは、えんじ色の毛糸のマフラーだった。
端の方にはフリンジもついており、ホオズキの模様の刺繍もしてある。

「これ、手編みですか？」

鬼灯の問いにAは頷くと、

『実は、秋頃から毎日ちょこっとずつ編んでたの』
クリスマスに間に合って良かった。
刺繍のとこはちょっと自信ないんだけど…

と言って照れくさそうに微笑んだ。

『鬼灯君、冬も現世出張に行くことが多いでしょ？
あと最近は八寒地獄に赴くことも多いし…どっちでも使えるかなって思って、マフラーにしてみました！』

「…ありがとうございます。大切にしますね」

目の前の彼女を抱きしめたくなる衝動をグッと堪えて(仕事中だしまわりに獄卒たちが居るので)、
鬼灯はお礼を言うと、マフラーが汚れないように大事に大事にラッピングされていた袋の中にしまったのだった。