【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ17)

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冬至にクリスマスに大掃除ページ17

※クリスマスと冬至と年末の大掃除がいっぺんに来ました(ぇ
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世間はもうすぐクリスマス。

地獄でもクリスマスのイベントが行われるのかと思いきや、獄卒たちは基本、冬至の時期頃から大掃除の準備に取り掛かるので、実はあまり馴染みがなかったりする。

『でも、せっかくだから今年はクリスマス要素をちょこっと取り入れてみようかな…』と、閻魔大王であるAはとある案を出した。
ハロウィンの時と同様に、賽の河原にいる子供たちにプレゼントを配る企画である。

『よし、準備OK！』

サンタクロースを彷彿とさせる赤地に白いモコモコのファーがついたワンピースを着たAが、鏡の前で自分の姿を確認してガッツポーズをした。

「A様、お似合いですよ～」

『ありがとう、お香ちゃん』

身支度を手伝ってくれたお香にお礼を言うと、Aは自分の着替えが終わるまでそばで待ってくれていた地蔵菩薩に声をかける。

『地蔵菩薩さん、お待たせしてごめんね』

「わぁ！A様、素敵なサンタさんですね～」

『ふふ、ありがとう。地蔵菩薩さんも、トナカイの衣装似合ってるよ！』

お互いの衣装を褒めあって、2人はニコニコと微笑んだ。
要は、Aはサンタの格好、地蔵菩薩はトナカイの格好で賽の河原の子供たちにプレゼントを配りに行くことにしたのである。

『あ、鬼灯君もお待たせしました』

部屋の外で待っていた鬼灯が、自室から出てきたAの格好を見て目をしばたたかせた。

「貴女、イベント事の衣装を着るのは躊躇しませんよね…」
まあ、可愛いから良いですが…

後で写真撮ろう…なんて思いながら、鬼灯はサンタガールの格好をしているAをもう一度眺めてみる。

「その服、またリリスさんですか？」

『ううん、これはお香ちゃんが選んでくれたの』

…成程。だからスカートが膝がちょうど隠れるくらいの長さなのか。
長すぎず、短すぎずな所が良いですね。

と、口には出さず鬼灯は考えた。

『やっぱりサンタっぽくないかな？』
白い髭とかつけるべき？

何か考え込んでいる様子の彼を見て、Aはうーんと首を傾げる。

「いえ、そのままで良いですよ。というか、その格好に髭は逆にミスマッチでしょう」

せっかく可愛らしいサンタになったんですから。

鬼灯は少しズレたAの帽子を直してあげた後、彼女の頬に手を添えて呟いた。

Aはその手を握ると『ありがとう』と嬉しそうに微笑んだのだった。