【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ16)

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レディはショッピングがお好き⑯ ページ16

『なんか、どっと疲れた…』

「お疲れ様でした」
やはり、もう少し早く助けるべきでしたね…

鬼灯は若干ぐったりしているAの頭をポンポンと撫でる。

「私も一緒になってはしゃいじゃったわ…」
申し訳ないです…

と、自分の先程までの行いを反省しているお香に、
Aが『ううん。一緒について来てくれてありがとう、お香ちゃん』と微笑んだ。

「というか、当初の目的忘れてましたね」
だいぶ時間をくってしまいましたし…

『「あ」』

鬼灯の言葉に、2人とも顔を見合わせる。
そういえば、仕事という名目で拷問道具を購入しに百貨店に来てたんだった…と。

「まあ、大体目星はつけてあるので、さっさと買って帰りましょうか」

そう言って、1番最初に居た拷問道具売り場に戻って行く鬼灯を見て、
「さすがねぇ～…」とお香が呟く。

無事に本来の目的も終えて、さあ閻魔殿に帰ろうとなった時、Aが思い出したように言った。

『あ、鬼灯君、帰る前にやっぱり寄りたいとこがあるんだけど…』

「どこですか？」

『えっと、子供服売り場…なんだけど。一子ちゃん、二子ちゃんに新しい服を買ってあげたくて…』

彼女の言葉に鬼灯はため息をつく。

「A、あまりあの2人を甘やかさないで下さい」

現在は娘的なポジションに収まっている座敷童子の双子だが、見かけは幼女でも立派な妖怪である。
なので、鬼灯的には厳しく教育しているつもりなのだが…

AはAで、彼女たちを甘やかしがちなのだった。

「(子供に厳しいお父さんだわ…)」

そばでやり取りを聞いていたお香は、そんなことを思う。

『でも、2人から今度一緒にお出かけしたいってお願いされてるし、せっかくだから鬼灯君と選びたいなって思ったんだけど…ダメかな？』

首を傾げたAにそう言われて、鬼灯は再度ため息をつくと、彼女の手を握った。

「…仕方ないですね。それが終わったら、すぐに帰りますよ」

『うん！』

対するAは嬉しそうに頷くと、彼の手を握り返して歩き出した。
そんな2人を、お香が笑顔で送り出す。

「お邪魔しちゃ悪いから、アタシは荷物番も兼ねてここで待ってるわ。お2人とも行ってらっしゃい」

『ごめんねお香ちゃん、すぐ戻って来るから！』

コチラに向かって手を振った後、幸せそうな顔で隣の鬼灯に何か話しかけているAを見て、

「(リリスさんたちに出会って色々あったけど、A様が楽しそうで良かったわ…)」
と、お香はまた微笑んだのだった。