【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ五】 (ページ15)

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レディはショッピングがお好き⑮ ページ15

「とても似合ってます。可愛いですよ」

突然、鬼灯にギュッと抱きしめられて囁かれて、Aは顔を赤くする。

『う…あ、ありがとう！でも鬼灯君、人前だからっ…』

恥ずかしいからっ…！と彼の腕を軽く叩いて、離してくれるように訴えてみる。

「人前じゃなかったら良いんですね」

『もう！そういうことじゃなくてっ』

残念そうに離れていった鬼灯に、Aは小さくため息をつくと、それから照れたように微笑んだ。

『鬼灯君、私にこの色が似合うと思って選んでくれたんでしょ？その…嬉しかったよ…って、なんでまた抱きついて来たの！？』

「いえ、あまりにも愛しかったのでつい…」

若干2人の世界に入りつつあるAと鬼灯を見て、端っこのほうでずっと待機していた檎が、
「あのお2人も相変わらずじゃな～」と笑う。
ああなると、周りはほぼ空気状態である。

その隣で、「(あの夫婦も、バカップルなとこあるよなぁ〜…)」なんてスケープは思っていた。
勿論、口が裂けても言えないけれど。

その後、
元の格好に着替えてお会計を済ませた(鬼灯が買ってくれたのだけど)Aに、ニッコリ微笑んだリリスと妲己が声をかけてきた。

「じゃあ、その服に合う靴とカバンも探しに行きましょ！」

「アクセサリーなんかも良いわね」

『え』

その言葉に、この(強制的)買い物ツアーももう終わりかなと思っていたAは若干青ざめた。

「服だけじゃダメよA様。オシャレは足元からって言うでしょう？」

「アクセサリーやカバンも欠かせないわ」

『ま、まだ行くんですか！？』

「A様、お供しますよ」

『お香ちゃんまでっ！？』

結局、靴やカバン、アクセサリーも揃えるまで、Aはリリスと妲己に百貨店内を連れ回されたのだった。

──数時間後、

「じゃあねぇ～A様～」

「また一緒にお買い物しましょ～」

リリスと妲己に手を振られて、Aも手を振り返す。
『次はお手柔らかにお願いします…っ』と思いながら。

リリスに至ってはあの後、「そうだわ！日本の土地買わなきゃ！」と自分が持つ化粧品ブランドの支店のための土地まで買っていた。
勿論、ベルゼブブのお金で。

「こうして経済は回るんですね」

という鬼灯の言葉に、
『うん…経済が回るのは良い事だよね…』と、若干遠い目をしてAは呟いたのだった。