レディはショッピングがお好き ページ1
さて、突然だが本日は、Aとお香、そして鬼灯の3人で、地獄内にある百貨店に来ている。
とは言っても、衆合地獄で女性の獄卒たちが使用する新しい拷問道具を購入しに来たのであって、仲良くショッピングというわけではない。
一応これも、れっきとした仕事の一環なのである。
鬼灯は閻魔大王第一補佐官として、お香は衆合地獄の主任補佐として、ちゃんと女獄卒の皆が使えるものであるかどうかの確認も兼ねて、亡者を呵責するための道具を選びに来たのだ。
ちなみにAは、今日は亡者の裁判も早々に終わったので、
「A様のご意見も聞きたいわ〜」とお香に言われたのもあって、付き添いでついてきたのだった。
「拷問道具って、閻魔庁御用達の専門店で全部作るんだと思ってたわ」
お香の声に、それぞれ別々の道具を眺めていた鬼灯とAが顔をあげる。
「基本はそうですが、こうしてデパートで既製品を見繕うこともありますね」
『許可を取って、各々で所有してる獄卒も居るしね〜』
「練習用の道具は、もっと安い店で大量注文したりします」
すぐ壊す輩が毎年必ず1人は居るので…
鬼灯の呟きを聞いたAが、すかさずつっこんだ。
『鬼灯君も他人のこと言えないよ？』
拷問道具どころか、備品や閻魔殿の壁とか柱とか、よく壊してるよね。
この前は窓を壊さなかったっけ？
ジーッと彼女に見つめられて、鬼灯は気まずそうに視線を逸らした。
「……使い易さや、女性でも扱えるか等は自分の手で確認したり、Aに手伝ってもらったりしています」
『(あ、しらばっくれた！)』
別に怒っているわけじゃないのだけど…とAは苦笑する。
『(鬼灯君、怪力だからなぁ〜…)』
勿論、それに助けられていることも多いのだけれど。
できれば、壊さない方向でお願いしたいな…とも思うのだった。
ふと、
「ただ今のお時間からこちら、バーゲンセール開催でーす！」
という声が聞こえてきて、一同はそちらに顔を向けた。
「
1万円以上お買い上げの方には、
『あ！あれ、カマーさんのブランドだよね』
カマーさんとは、
金魚草コンテストの創始者、そして審査員も務めており、
現在はアイドルのピーチ・マキのスタイリストも務めている凄腕デザイナー、カマ彦のことである。
ちなみに、閻魔庁の記録課に居る
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年12月15日 2時
