【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ四】 (ページ31)

今日:15 hit、昨日:15 hit、合計:37,260 hit

地獄にもハロウィンはあるのです！④ ページ31

「よう、鬼灯！なんだお前、仮装それだけかよ」

そう言って声をかけてきたのは、鬼灯の幼なじみである烏頭だった。

「何故、技術課のあなた方がここに？」

烏頭と、その隣に居る蓬を見て、鬼灯は首を傾げる。

『2人が、子供たちが喜びそうなものを造ったっていうから、私が参加をお願いしたの』

Aの言葉に、

「今度は何を造ったんですか…」
また、変なものに時間とお金を費やしたりしてないでしょうね？

と、彼は訝しげな眼差しを技術課2人に向けた。

「それは、見てのお楽しみだぜ！」

グッと親指を上げて答えた烏頭に、ため息をつく。

「不安しかないんですが……ところで、烏頭さんと蓬さんは何の仮装ですかソレ」

烏頭は頭や腕、脚など所々に包帯を巻いて、薄汚れた白衣を着ている。
そして蓬は、どう見てもアニメの敵キャラだなと思える仮装…というかコスプレをしていた。

鬼灯の問いに、烏頭が答えた。

「ん？これは、ミイラを造る実験に失敗して自分がミイラになっちまった、マッドサイエンティストの仮装だよ」

「情報量が多い」
ミイラかマッドサイエンティストか、どちらかで良かったのでは？

と、子鬼の頃から相変わらずな烏頭を見て、鬼灯は呟く。

対する蓬は、
「鬼卒道士チャイニーズエンジェルのアニメ第3話に出てきた敵キャラの仮装だよ。お前知らないのか？ファンの間じゃ有名だぞ？」と何故か力説してきた。

「そんなコアなキャラクター知りませんよ」
"これくらい常識"みたいな雰囲気出されても困ります。

こちらも相変わらずな感じで、鬼灯はため息をついた。

3人のやり取りを微笑ましく眺めていたAが、ポツリと言った。

『へえー、蓬君てアニメ詳しいんだね』

「あっ、A様も興味ありますか？」
なんなら今度DVDお貸ししますよ！Blu-rayもありますし！

何かスイッチが入ってしまった蓬が色々語り出したのを見て、鬼灯が慌ててそれを遮った。

「やめなさいA。このオタクに話題を振るとキリがないですよ」

「俺も、そこは鬼灯に同意っすわ…」

なんて言っている鬼灯と烏頭の2人もそれぞれジャンルの違うオタクだったりするので、他人のこと言えないのだが。

やっぱり3人共仲良しで良いなぁ～なんて思いながら、Aは集ったメンバーに『みんな今日はよろしくね！』と声をかける。

更に彼女の『子供たちが待ってるから行きますよー』という言葉で、一同は移動を開始したのだった。