【鬼灯の冷徹】地獄の閻魔様に成りました【其ノ四】 (ページ22)

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現世視察も楽じゃないページ22

「鬼灯様ーあーそーぼー！」

そう元気よく叫んで鬼灯の自室を覗き込んだのは、犬獄卒のシロ。
そして、その後ろにくっついて来た柿助、ルリオも同じように部屋を覗き込んだ。

『あ、シロ君、柿助君、ルリオ君、こんにちは～』

3匹を振り返ったAが、にこやかに挨拶をする。

「あれ？A様がいるー」
法廷にいないと思ったら、ここに居たのかあー！

「こんにちはー！」
シロに続いて、柿助とルリオもそれぞれ挨拶を返した。

「すみません、今から現世へ視察に行くんです」

Aの横でカバンに物をつめながらそう告げた鬼灯に対して、シロが「またしさつ？」と首を傾げる。

「ねェ鬼灯様。「しさつしさつ」ってよく言ってるけどさ、毎回何人の悪党をぶすっといってるの？」

「…その刺殺じゃないですよ」
私は必殺仕事人ですか。

『あははは！違うよシロ君、「視察」だよ』

必殺仕事人みたいな鬼灯を思い浮かべて結構ツボだったのか、Aが笑いながら訂正した。

『うーんと…この場合は、現世に実際に行って、その場所とかの様子を見ることかな』

「へえ～視察ね」

「今更！？」
「お前は今まで鬼灯様のこと何だと思ってたんだよ…」

納得したようなシロに、柿助とルリオがツッコミを入れた。
ホント、今更すぎるだろ…と。

「……え？それだけ？」

「それだけとは？変装して何か大きな事件を解決しに行ってると思いましたか？」

シロの言葉に鬼灯が問い返した。

『(それはそれで、スパイ映画みたいで面白いけど…)』

スパイ映画に出てくるような主人公っぽい鬼灯を想像して、Aはまた笑いそうになって口を押さえた。

「実際に現世の様子をこの目で見るのは、重要なことですよ」

『浄玻璃鏡だけじゃ、わからないこともあるからね』
特に現代は、色んなものが目まぐるしく変わってるから…

と、2人は説明を続ける。

「まして善悪なんてものは、環境で大いに変わるからこそ…自らそこの空気を肌で感じ、何でも食べ、遊び、短期でもバイトしてみたりします」

「結構満喫してるんスね…」
あ、いや、満喫って言い方はちょっとアレか…仕事だし…

とルリオは慌てて自分の言葉を訂正した。

まあ、あながち間違ってはいないけれど。