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デート終盤でも、勿論別れ際でもない。
私は空気を読まずに告げた。
sha「え？」
案の定な返事が返って来たので、もう一度。
今度はさっきより固い声になったが、伝わるには十分だろう。
私は本気だよ。別れようって。
sha「なんでか、聞いてええ？」
ヤケクソみたいのじゃなくてって前置いた。
シャオちゃんはいい人でいい彼氏だ。
隣に立ってるのがこんな妬み嫉みまみれの女じゃ勿体ない。
女の子がいる飲み会に、行って欲しくない。
会社で仕事をしてる間大学に行ってるシャオちゃんが何をしてるのか、気になって仕方ない。
そんなドロドロした感情を途切れ途切れに。
sha「おわり？」
数秒沈黙した私を見て、シャオちゃんはそれだけ言った。
その辺りでレジが私達の番になったから、彼はそのまま淡々とオーダーする。
期間限定のやつと、エスプレッソ１つで。
店員とのやりとりの間、当然彼は私を見ない。
店員の指示に会釈して此方を見たシャオちゃんは、さっきの言葉を繰り返した。
sha「それで、言いたいこと終わったん？」
私の方が歳上なのに、まるで5歳の子供を諭すような優しい声に、ポロっと涙が出た。
一瞬焦った彼の顔は年相応に見えたけれど、気のせいかもしれない。
グズグズ鼻をすする私の肩を引いて柱の影で隠して、そういう所が更に泣ける。
sha「別に別れんで良くない？」
「…なんで。」
sha「Aの言い分もなんとなくは分かるよ。俺も仕事中何してんのかなとか思うし。」
「仕事してるに決まってんじゃん。」
sha「そうじゃなくてですね。何、俺の事嫌んなった？」
「違う、私。」
sha「自分の事嫌になったの？…ほぉん？」
曖昧な反応をして、呼ばれたから飲み物を取りに行く。
そのまま出口の方へ歩いていくから、私もついて行った。
sha「Aはさ、俺の事好き？」
黙る私に大袈裟に笑った彼だけど、好きとか、もうそんな話じゃないんだよ。
もうずっと隣に居て欲しいとか思っちゃってるの。
色々考えて結局そうなんだから、私は本当に欲深い。
sha「俺は好きやで。俺の事嫌いになるまででええから、それまでは付き合ってや。」
ずるいよね、やっぱり。
そうやってまた私は翻弄されて、苦しくなって、でも好きで。
sha「さみぃね。」
「…寒いね。」
店で飲めばよかったとぼやく言葉は宙ぶらりん。
手は飲み物で塞がってるけど、いつもよりゆっくり歩く彼の隣に並んで、ちょっと寄り掛かってみたりする。
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72.私の方が溶けるかと思いました(tn)→←71.すったもんだのアレやソレ(sha)
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ちぃ汰。(プロフ) - 初めてのコメント失礼いたします。本当に素敵な作品ばかりで常々楽しみにさせていただいております。今回のお話もとても素敵でした。陰ながら応援しております。 (2020年7月17日 20時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お久しぶりの更新お疲れ様です！久々に来てみたら最推しが更新されてたし、かっこいいしでちょっと爆発してきました。これからも頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月17日 19時) (レス) id: 0c05c25a4f (このIDを非表示/違反報告)
「かぎかっこ」(プロフ) - おっど#sakuraさん» コメント並びにお心遣いまでありがとうございます！色んな形のお話をかけたらと思っておりますので、これからもお楽しみ頂けるように精進します！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: af5934532f (このIDを非表示/違反報告)
おっど#sakura - 心が暖かくなるのもあれば、ドロッドロに溶かされる様な甘いのもあってすっごい有意義な時間を過ごせました。上から目線のようになってしまいましたが、要するに最高な作品を読まさせて頂きありがとうございます。これからも応援してます。 (2020年5月17日 1時) (レス) id: 2fb229e0ec (このIDを非表示/違反報告)
「かぎかっこ」(プロフ) - 霞花さん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで幸いです！ (2020年5月15日 21時) (レス) id: af5934532f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：「かぎかっこ」 | 作成日時：2019年9月27日 2時
