2【邂逅】 ページ4
さよなら、ボク。
そうしてソウルを貫いたはずだった。でも、痛みも感覚の喪失も起こらない。何故？ 目を開けば、その答えは直ぐに理解できた。
青黒く、粘着質なナニカ──まるで触手のようなそれが、刃を包み込んでいた。
「
その声に、背筋が震えた。慌てて視線を上げた先、ボクの手を掴んだ触手の持ち主は、
「……Sans…………？」
……そう零すほどに、Sansに酷似していた。でも違う。ボクの知っているSansは、こんなにも圧を感じない。こんなにも悪役然とした顔をしない。その声は彼より低く、聞く者を不安にさせる程不気味で…………それでいて……何故か惹き付けられる響きを持っていた。
何も言えずただ息をするばかりのボクに、そのスケルトンは嘲りの視線を向けながら口を開く。それは、時間を無駄にしたくないのだとでも言わんばかりの簡潔な問いだった。
「何故お前しかいない？」
触手がナイフを奪う。そのナイフは、アイツが使ったのと同じ物。相手のSoulを簡単に打ち砕く物。それを持っている自分も、本質的には似たようなものだ。得物を無くした手を口元へやり、口角を引き上げて歪な笑みを浮かべる。
「ボクが全員殺した。一人残らず塵に変えたよ。
誰もいなくなったし、地上にも興味ないから終わらせようと思ったんだけど……どうして邪魔するのかな、君は」
脳内で組み立てた虚構をなぞる。ふぅん、と無感情な声の後、ナイフが床に落ちた音が反響する。そのスケルトンがラボの機械へ興味の無さそうな視線を向けた辺りで少し体の力を抜いた。
「嘘だな」
「…………は？」
此方を見ないまま告げられた言葉に心臓が跳ねる。何故？ どうして見抜かれた？ 笑顔は出来ていたはずなのに。反射的に口から漏れた疑問符がこれ以上続かないように飲み込みながら、振り返った相手に意識を向ける。
「Hah hah……世間知らずのニンゲンだな。まぁ仕方ないか？何せ本筋は終わってるんだ、外に出ようにもやりようが無い」
「……何の、話」
「分からないか？ そうだろうなぁ。そんなカワイソウなお前に朗報だ。俺は今とても暇をしてる」
翠の目がボクを捉える。……話せということだろうか。まあいい、どうせ終わらせる予定の命だったんだからそう恐れることは無いか。
「……悪趣味だ」
「褒め言葉だな。味わわせろよ、お前の絶望を」
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ツキノさん(プロフ) - 黒☆闇ＡＵしか勝たん☆さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです……！闇AU、最高ですよね。 (2023年4月1日 19時) (
レス) id: 5b74f6ac69 (このIDを非表示/違反報告)
黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！この小説好きです！ (2023年3月31日 13時) (レス) @page5 id: 0e70c0dcee (このIDを非表示/違反報告)
めんつゆたまごﾁｬﾝ(プロフ) - fenonさん» ！！！！！？！？ありがとうございます！そろそろやっと更新できそうです…暖かい言葉にシンプルに嬉しくなっちゃいました、頑張ります！ (2020年12月25日 18時) (レス) id: 456520fef0 (このIDを非表示/違反報告)
fenon(プロフ) - 先がとても楽しみです!!体調に気をつけてゆっくりでいいので更新待ってますね (2020年11月18日 17時) (レス) id: 8dce9856e7 (このIDを非表示/違反報告)
めんつゆたまごﾁｬﾝ(プロフ) - アンテloveさん» 続きを待って頂けるとは…これは早急に更新しないとですね！ですが今現在軽いスランプに陥りかけておりまして…時間はたっぷりあるのでゆっくりになるかもしれませんが更新頑張ります…！！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 456520fef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツキノさん | 作成日時：2019年8月9日 19時
