青い世界 28 ページ11
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「場所を変えねぇか？手足は縛ってくれて構わねぇしなんなら服を剥いでもいい」
この船に向かっている最中のエレア、鉢合わせる可能性がある、ならどこかの部屋に閉じ込められた方がいい
「…そうだねい、マストなら逃げ場もねぇし、いいよい」
じろりと細められた目が俺をとらえる
何処から持ってきたのか、足枷と手枷を付けられ、武器がないのを確認された俺は不死鳥の足に捕まれメインマストまで登った
「あー、高ぇな」
メインマストの見張り台に腰掛け、足をぶらつかせながら言えば目の前の男の殺気が強くなる
「んな殺気立つなよ、何が聞きてェんだ？」
「海軍大将直属の部下がなんで死に急いでるのか気になってねい」
「あー、エレアを殺し損ねたってんでクビにされたんだよ、んでお前らんとこに拾われたあいつをそう簡単に殺すことは出来ねェんでおさらばしようかとな」
「わざわざ5歳まで生かして、苦しめて殺そうとした割にはあいつを殺すのを簡単に諦めるんだねい？」
「…何がいいてェ」
「ここの海域は穏やかだ、能力者でもねェお前なら泳いで船を逃げることなんて簡単だったはずだよい」
「憎い女のいる船に乗ってるなんて、いくら元とは言えあの赤犬の直属の部下とは思えないねい？」
「俺とエレアが付き合ってると知った時、ロジャーの血が受け継がれると言うのにお前はどこか安心したような顔をした」
「正直に言え、内容によりゃ1発ぶん殴るだけで済ませてやるよい」
「＿＿はっ、正直も何もねェさ」
「俺は現役を退いて10年以上経つ、その間鍛えてもいねェこの体で海を泳ぐのもお前らとやり合うのも不可能と判断した」
「あいつには名前を教えてない、バレる心配もねェんでこのまま運んでもらおって思ってたんだが」
「まさか写真を持ってたとはなァ、甘く見てたわ」
焦るな、あくまで冷静に、エレアを殺し損ねた海兵を演じろ
「…そうかよい」
先程までの殺気がまるで可愛く思えるほど、あたりの空気は冷えきり、目の前の男は俺を殺そうと睨みつけてくる
「あいつらには悪いが、もうすぐエレアが帰ってくるんでねい」
「ここら辺で消えてもらうよい」
ハイライトの無い瞳が俺を見る、行きと同じように足で乱雑に掴まれ、爪が皮膚にくい込み肌につぷりと突き刺さる
＿＿＿投げ出されたのは、海だった
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ごま明太子(プロフ) - 哀羅さん» ありがとうございます！想う、だとなんだか現実味が強い気がしたのであえて「想ふ」にしてふわふわとさせてみました。コメント本当に励みになります、ありがとうございます！ (2020年12月25日 20時) (
レス) id: d8b86df49f (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 続編おめでとうございます！タイトルいいですね！君想う、ではなくあえて想ふ、としてるのがたまらなく好きです！百人一首や和歌を思い出します。今回も応援してます！ (2020年12月25日 17時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごま明太子 | 作成日時：2020年12月25日 16時
