現実主義のラウールくんは ページ12
(ラウールside)
Aさんが男の子になっちゃったっていううわさを聞いて…サイズアウトした服をたくさん持って、おうちへタクシーを走らせる。
だってさ、もし治らなかったら…女の子の服全部着れなくなるでしょ？Aさんがいまどれくらいの身長なのかは知らないけど…着れるなら、俺のも着てほしいもん。
インターホンに出てくれたのは佐久間くん。なんだかんだ、朝からずっといるらしい。
玄関を開けてくれたのは岩本くん。なんか凄く疲れた顔してるけど、なんで？
部屋の隅には阿部ちゃん。なんかぶつぶつスマホとしゃべってる。怖い！！
そして…
A「あ！ラウくん！」
ラ「Aさん！？うわぁ、かっこいいね！」
A「「ありがとー！」
めちゃめちゃかわいいかっこいい男の子！これがAさん、男の子バージョンかぁ…！！
うんうん、雰囲気ある、かわいい。けどやっぱ年上だからか…かっこいい！！好き！！
A「何？大荷物」
ラ「あ、これ、もし女の子に戻れなかったときのために、俺のサイズアウトした服持ってきた。ほら、俺一気に背が伸びたから…」
A「わぁ！助かる！ってかブランドもの多！！」
向「え！ええやん、これ！すご！」
A「わたし、あえてメンズのＸＬ着たりするからさ…女子にもどっても、これもらってもいい？着る」
ラ「もちろん！」
向「え、これ着て写真撮ろうや！」
佐「え！じゃあ俺も入る！」
向「ええやん、さっくんと身長近いし、双子コーデみたいなんしてや！」
ラ「いいね！じゃあこれとこれとか…」
岩「あーあーあー！！Aちゃん！ここで着替えちゃダメだって！」
A「ひかるくん、そろそろ慣れてよ…」
岩「だめ！ほら、お風呂場か寝室で着替えてきて！」
A「しょうがないなぁ…」
あー、なるほどね。事情は察したよ。
きっと今日一日こうやって、自由なAさんと佐久間くんを、岩本くんはがんばって抑えてきたんだな…お疲れ様です。
けどね。
A「着替えたよー！」
ラ「いいじゃん、似合う！」
岩「ちょ、そんな上半身の露出が激しいのだめ！」
ラ「いいじゃん、男の子なんだから」
向「いいじゃん」
佐「いいじゃん」
A「いいじゃん」
俺もせっかくなら、楽しみたいよねー！
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作者名：まめ
| 作成日時：2023年7月26日 23時
